うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

お話し会ネタ その4

2.器の形を味わう その2
まだまだネタは有ります。

d.器の作り方 漆器
木を器の形にして、それに漆を塗ったものを漆器と言っています。木で作られる素地は、木をへぎ(繊維に沿って薄く割り剥がす方法)曲げて作る曲げもの、木をテープ状にして巻いて凹ませて器の形にする、固まりからノミなどで刳り形作るもの、桶など、そのほかにもありますが、一般的には、轆轤(ろくろ)挽きと言われる方法で、作りだされます。こけしを作っている画像などご覧になられたなら、ほぼ同じ方法です。
おおまかですが、椀を作る方法を参考にお話します。器にする木の固まりを轆轤に取り付けて、回転させて中、外を、カンナと呼ぶ先が刃物の金属の棒ので削りだします。取り付けた材料の木が、生きていたときの方向で、縦木(たてき)横木(よこぎ)と呼ばれています。
素地は十分な乾燥や寝かしを経て、塗りに入ります。下地から沢山の行程を繰り返して、何度の何度も塗り重ねます。その時に、乾いては研ぎ、研いでは塗り・・・と、幾重にも塗り上げていきます。
器では少ないのですが、棗、文箱など茶道や美術品などで、この後に蒔絵やろいろなどの装飾や仕上げもありますが、ここでは日常で使う器のお話を中心にしますので、省きます。



e.器の形を読む
使うための器の形は、使い勝手から要求されることが多いのですが、次回の使い勝手のお話に重なることも多いので多くは先にゆずりますが、ここでは作る側から、それらの要求に答えるときに基本となる、素材の特性や、作り方から構成されていく様子をお話します。
e.と次のf.では、具体的な例をグラスとしてお話してみましょう。
グラスは文字通りガラスで作られたもので、ここでは吹きガラスのグラスのお話をします。吹きガラスは、前期のガラスのお話で詳しくしましたが、溶けた液体が粘性を帯びて結晶化せずに固まる不思議な特性をもつ材料なので、作り出すことができます。
モール(本来の意はヒダです)と言われる方法は、拭き竿に巻き取ったガラスを、均一な金物などの型に吹き込んで内圧をかけて、グラスの表面に溝をつくりだし、縦あるいは斜めに巻き込まれたこの凸凹の溝を器に走らせて作りあげる装飾の事を言います。たとえば5モールというのは5本に溝が器のそこから放射状に広がっています。モールは、液体を入れたところが液体の屈折率の関係で、モールが消えたり、見えにくくなります。ガラスの特性から出来る作り方と装飾方法です。またこの溝が滑り止めになります。グラスの裾が小さく、口のほうにだんだん開いて行く形は、やはり持ち易さからは自然な形でしょう。それでも、女性の手では限界があります。そこで持つ部分を縦につけたのが、ステム(脚)だと考えても良いと思います。ワイングラスだけでなく、ピルスナー、ゴブレットなどにも、ステム付きは良くある形です。飴細工のようにブローした本体(カップ)に脚を付け足して、更にそこになるベースの部分を付け足して完成させ、切り放してカップの口を開いて、形を整えます。ピルスナーのカップの部分が細長いのは、ビールの発砲を十分に楽しめるためです。
使う用途や好みに合わせて、作り手も使い勝手を研究し、それぞれが手がけている素材で何ができるか、素材らしさを引き出し、それらを統合構成して形がきまります。

f. 器の形を選ぶ
たくさんある器の中から、自分の器と選び出す指針に、“形”は重要な要素でしょう。
そこで、僭越ながらも、ぼく個人の選択を例にとってお話します。もちろん選択に正解あるいは不正解はありません。選んだ器の出番が多く、日常に使われれば、それでもう立派な選択だといえますから。
ここでも例をグラスとします。ぼくらがコップといってしまいがちな、身近なグラスは多目的で、水や麦茶やミルクを飲んだり、ビールを呑んだり、焼酎○○○割りを呑んだり、色々使うことが多いでしょう。でも、それだと、お皿も同じ。カレーも、サンマも、パスタも、ハンバーグも、お刺身も、お新香も・・・・。分量さえ都合がつけば確かに使い回しができます。
でも、心と懐にゆとりがあれば、ぼくなら、もう少し自分の暮らしや嗜好メニューに絞って使えるようにグラスや、皿を選びます。再びグラスにもどって、ぼくの嗜好で選ぶとしたらと、考えてみました。
アルコールの中で好んで呑むのは、少量ですがウイスキーです。ウイスキーを飲むなら重くて重厚な掌を楽しめるロックグラスが一般てきですが・・・・、ぼくは小振りな馬上杯のようなステムのあるグラスを選んでいます。たくさん呑む方ではないですし、香りや色を楽しむために、特別ないろや文様は入っていない、シンプルで小振りなモルトグラスです。
ワインやビール用には、マイグラスとして大きめのカップにステムのあるゴブレットです。多用のグラスや杯、ワイングラスもありますが、まずほとんどこれで用はたりでしまっています。
こんな風に形は、見て美しいこと好みのことも大切ですが、同じくらいに自分に使いやすいこと、嗜好にあわせることでも、選ぶ要素になりますね。自分の生活や嗜好を意識し、より楽しむために器の力も借りる事が出来ます。
 縁があり額縁になったお皿は、しまう面積の割りに入りませんが、盛りつけをしたときに、ゆとりのある美味しそうなお皿・・・いえ、料理になります。どちらが正しく間違いと言うのではなく、それぞれの形を楽しむためにも、理解と認識があれば十分です。

g.器の部位の名前
日本語での器の部位の名称には、人の身体の部位と同じ名称が多く使われます。
それは、きっと自分の器としての愛着から来ているのではないかと、勝手に想像しています。
急須や徳利で注ぎ出す部分を、どちらも「口」と呼びます。
湯呑み、飯碗、鉢などでは、端の部分を「口」とか「口縁」などと表現します。
このように使われる部位の名称には、「首=頸」「腰」「手」「肩」「尻」「足」などがあり、それらを使うときには、持ち主の器への親しみが込められて呼ばれることが多いようです。
他にも、器らしい名称があるので、いくつかご紹介しておきます。
碗や鉢などの器の、ものが入る部分あるいは、その底を「見込み」といいます。そこには動詞から生まれた共通性と感じます。「見る」「込む=中に入る」が合わさったのでしょう。普通に「見込み」を使うときの「見込みのあるやつ」とかの意味も、器としての形のわりに、見込み(容積=キャパシティ)がある器は、器として無駄がなく、結果手持ちも軽く、良しとと言う意味で使います。人柄としても同じ意味で「見込みのあるやつ=中身が入る=有望」とつかわれたのでしょう。「器が大きい」も似た言葉ですね。部位ではありませんが、深い形の向付けを「のぞき」と言います。
部位に戻ると、茶碗などでは重要な鑑賞ポイントになる「高台」は、使うときの安定性や、古い時代に重ねて焼成するときや、釉薬を施すときの利便性から発生なのですが、器の形や造形には欠かせないものとなっています。
自然界の言葉を当てることもあります。高低差のある口作りの茶碗の口縁を「峰」と言いいます。
部位ではなく、器の形になりますが、低めのポッテリした壺や花器の形を「蹲る=うずくまる」といいます。織部茶碗が有名ですが、大きく歪んだ形の碗を「沓茶碗=くつちゃわん」といいますが、これは、平安貴族の蹴鞠するときの沓の形のようなのでそう言われるそうです。このように名称になった元が、形からイメージを広げたものが多くあります。
そんな気持ちで、みなさんもs自分のお気に入りの器に愛称をつけるもの、楽しい事かと思います。
*部位や形の名称には更に細かく、茶道や煎茶道や華道独特の名称もあります。ここでは、それらの中から比較的一般使われるもご紹介しました。

             甘庵


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あかり展最終日

今回のあかり展の開催期間は通常の企画展より、
1週間長くて3週間でした。
暖冬とはいえまだ冬を感じさせていた空も、
すっかり春空になりました。

2月にあかり展をするのは、
いろいろな企画上の理由もありますが、
一番の理由は、暖かなあかりを、
感じ取りやすい季節だと思っているからです。

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その季節もすっかり春めいてきました。
ぼくとしては、あかり展の空間を名残惜しみながら、
今日までで、また模様替えをします。

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明日の3月13日(火)から15日(木)までお休みをいただきます。
その間には、あかりを片づけて山梨都留市のもえぎさんへお持ちしますので、
是非お近くのかたは、画像では感じ取れない、
あかりをご覧になってください。

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また、16日(金)かえの「春のしつらえとお話し会」の、
飾り付けと、お話しのための資料や準備もいたします。
とはいえ、のんびりした会に・・・というか、
閑散とした会の毎日になるかと思うので、
これを機にブログ読者の方々の参加を大いに期待しております。
このお話し会で一人でも多くのブログ読者と、
お目にかかれればと楽しみにしております。
ぜひぜひ、お気軽にお出かけください。

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器への素朴な疑問や、器の手入れや使いかた、
作り手のこと、甘庵流器の楽しみ方などなど、
その時の気分や、参加してくださる方の、
希望にそってのお話し会にしたいと思っています。
よろしくお願いしたします。

               甘庵


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得た光は

昨日に続いて、ガラスシェードのディテールをみていただきます。
今日は荒川尚也さんの泡の綺麗なシェードです。

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澄んだ素地にデザインされた泡は、
暮らしの中で使われる器として、
品と格を兼ね備えたガラスとしての定評を得ています。



器でも日差しやあかりで、泡が綺麗に煌めくのを、
楽しめますが、荒川さんの作るあかりは、
ガラスシェードを一番綺麗に見せたくて作ったようなものですから、
それはもう、素晴らしい煌めきを見せてくれます。

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固まりを感じるほどの厚みのあるガラスに、
光がとけ込んでいるのを感じとれ、
泡の一つ一つがキラキラと輝いて、
澄んだ水や、氷を連想させます。

台は鉄を腐食させて描いた文様が施され、
重厚な存在感で、厚みのあるガラスシェードを支えています。

明るさを求めるより、
そこに陰影をつくり、
ガラスの影と台の質感を楽しむあかりです。

              甘庵


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