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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

ほっくりと焼き上がった器

この数日ですっかり秋めいてきました。
自然と温かい食べ物に心惹かれるようになります。
盛り付ける器も温かみのあるものを選んでしまいます。

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久保田信一 栗虎釉八寸鉢 9,720円
径24cmH6.5cm


今日ご紹介する久保田信一さんの栗虎釉八寸鉢は、
ほっくりと焼き上がりのような温かみのある器です。

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手にしたときの第一印象も、
陶器らしい軽やかさと温もりです。
美味しそうな香りがしそうな、
親しみのある釉調が魅力です。

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鉄からの発色の黄色、茶色、黒は、
派手ではないけど華やかさがあって、
どんな料理とも合わせやすく、
料理映えする器です。

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底面がゆったり広い見込みと、
緩やかな納まりの隅から適度な立ち上がりが、
広がりと深さをもっていて、
様々な料理がしつらえやすく、
使い勝手の多様性を持っています。

この鉢を手にしているだけで、
豊富な食材を活かした秋のレシピが、
思い浮かんでくる美味しそうな焼き上がりの器です。

               甘庵


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手あとが美しい器

手仕事の器は轆轤を使って滑らかに作られても、
どこか手あとを感じられて温もりがありますが、
鶴見宗次さんの器は手あとそのものが表情になっています。

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鶴見宗次 手ひねり深鉢 10,800円
径20.5cmH8cm


手ひねりといわれる轆轤で挽き出すのではなく、
手指で少しずつ伸ばし形作くっていくために、
器の表面には指のあとが見て取れます。

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その印象は粘土で型を作りだした彫塑の重厚さです。
蓄えているエナルギーがとても大きく存在感を感じます。
さらに豊かな表情に合わせて釉薬ではなく、
灰をかけて限界近く焼き締めることで、
素地と灰が溶けてしっかり噛み合って、
強い一体感のある器に仕上がっています。

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手で一つずつ作りだしことは、
フォルムにもよく現れています。
ほぼ高台削りもなく連続した工程で、
仕上がりまで形作られる効果は、
器が一つずつの個性を持って出来上がります。

18_autumn_0769.jpg

それは器よりお道具の茶器によく似た存在感で、
自然と気品を備えることにも繋がります。
と言いながらもあくまでも器として作られていて、
作り手の思いは使いやすい器です。

それは眺めるだけでも美しい姿を持ちながら、
料理が美味しそうに映えること、
丈夫で使い勝手が良いことです。
鶴見さんの手から美しい器が、
丁寧に一つずつ生み出されています。

             甘庵

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しつらえに力を貸してくれる器

急に肌寒くなりました。
気温の高低差になかなか順応できません。
数日前まで冷房かけていたのに、
今朝は暖房欲しいくらいに感じました。
さすがにスイッチは押さずに一枚羽織りました。
季節が変るころには、こまめな自己管理が必要ですね。

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小野寺友子 黒マット片口鉢 5,400円
W21cmD15cmH8cm


ご紹介する器も、こっくりとした温かみを感じるものにします。
小野寺友子さんの黒釉片口鉢です。
注ぐための器である片口の口があり可愛い形と、
アシンメトリーのフォルムから器として見立てられ、
今は注ぐよりも盛ることへ特化している片口鉢の方が、
一般的になっているようです。

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小野寺さんは釉や形が和の器を、
モダンに仕上がるのが上手です。
和の器でありながらグローバル化している、
私たちの食卓にぴったりな器です。

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調合と焼成で銀化している黒釉は、
高質感と温かみと同時に備えていて、
親しみがありながらも凛とした気品も漂う仕上がりです。

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楕円に歪められたお洒落な形を、
この黒釉がより生かして、
料理を選ばず盛り映えして、
美味しそうなしつらえに力を貸してくれる器です。

                甘庵



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