うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

一つは欲しい“うつわ”片口

片口が好きだとおっしゃる方は、多いと思います。
ぼくもその代表です。
まず、食卓で色々使えるからということが強みです。
形として特徴の口は、本来の目的の酒や醤油を注ぐためです。
でも、その非対称形のもつ方向性のある形が、
なんとも、心をくすぐるのではないでしょうか。

形からくる、ユーモラスな造形や、
有機的な形は、その口に鳶口などという名もあるように、
生き物を感じさせ、“うつわ”のなかでは、
ペット感覚で親しみを覚えてしまうのではないかと、
そう思っています。
ある時期何でも「かわいいー」と表現することが、
浸透してきたときに、そこそこの年齢の女性が、
片口を手に取り「かわいいー」
いつもなら、「むかっ」っとくる、
頑固オヤジを自負しているぼくも、
「でしょー、かわいいですよね」と、
口走ってしまいました。うーん。

少し口が広ければ、料理を盛りつけても由。
格好だけでなく、しっかり切れのいい片口なら、
贔屓の酒の色を楽しみながら姿形を肴に晩酌を。
(頑固オヤジのぼくは、切れの悪い物は片口と表記させない。
それらは、片口鉢でデザインで口に付いた“うつわ”ということに)
片口は多目的な“うつわ”なのではなく、
見立てたり、しつらえの楽しめる“うつわ”です。
注ぐ目的をしっかり果たしてこそ、そのための生まれた形が、
個性ある魅力となる“うつわ”です。

と、相変わらずの融通が利かない頑固オヤジの理屈です。
今夜はちょっと涼しげに、ガラスの片口に氷りを入れ、アイスペールに。
ロックで飲み出して・・・氷が溶けてきたころには、
酔いもほど良く、つめたい水を注いで水割りに変えてみるのが、
ぼくのパターン。
              閑庵

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器への思いやりーやきものー2

思いやりの続きです。

 ●思いやり4  
水との相性は良いのですが水道水にはご注意。
鉢やボールなどの器は、花器にしたりと、
料理以外にも積極的にお使いいただきたいのですが、
草花を生けて水を張った時など、
水の取り換えはこまめにしてください。
くれぐれも、忘れてそのままにしないようにしましょう。
特に夏には気をつけて下さい。
蒸発した水道水に含まれていた塩素が結晶になって、、
器の表面にこびりついてしまいます。
この塩素の結晶は、一筋縄ではとれません。
しかも、器の表面の色によっては、大変に目立って美しくなく、
器を台なしにしてしまいます。
 
(この塩素の問題はガラスでも同じ注意が必要です。)

 ●思いやり5  
やきものの破損のほとんどが落としたりするのではなく、
洗うときになどに、気づかずチップしてしまうようです。
ほとんどの方が使っていらっしゃるの水切り籠は、
ステンレス線を組み合わせたもののようです。
ここに洗い終わったお皿を立てるとします。
もし、1センチも上から手を放したとすると、
お皿の縁をナイフでたたくのと同じようだと思って下さい。
細く丸いステンレス線とお皿が当たるのは、円と円の接点ですから、
点と考えていいような小さな部分です。
それにお皿の重さと落とされたためのスピードを換算すれば、
ぶつかる部分にかかる力はとても大きな衝撃です。
好きな器を洗うときや、来客時など忙しい時は、
洗い籠にタオルを敷くと良いですよ。
立てて置くときは特に少し優しく置きましょう。
 
沢山の器のなかから選らびだされ、
せっかく手に入れたお気に入りの器ですから、
それぞれの工夫できっと大切にして下さっていると思います。
それでも、豊になったり、暮らし方が変わって来たために、
私たちが忘れてしまっている、先人達の器の使い方や、
思いやりの工夫を見直してみるのも、案外参考になります。

器には優しい竹の洗い籠や木の洗い桶が、使いやすいプラスチックに、
あるいはステンレスに変わっていったのですから、
洗い方や意識も変わらないといけないのでしょう。
あまり見掛けなくなった茶ビツも、急須やせん茶碗を、
嗜好品の道具ととらえて、食器とは別のタイミングで洗うことで、
欠けやすい突起の多い急須への思いやりだったのでしょう。
それに、お茶器は香りに気遣う器ですから、
すすぐ程度が慣例のもの、洗剤などはじめから冒頭にないものです。
いわば、お米を洗剤で洗うようなものではないかな。

器への思いやりをいくつか並べてはみましたが、
ほとんどが極く当たり前のことなので、
もう既に心がけていただいていることかもしれません。
ただ、意識として改めて、心にとどめてください。

これらは、ルールではありません。
お気に入りの器を使う、思いやりです。
皆さんの思いやりを加えて完成させてください。

              閑庵

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器への思いやりーやきものー

器は使う人が、心豊に暮らす道具として作られたものです。
だから、使われてこそ作られた意味を持ちます。
ものである以上使うことで、必ず消耗はしていくでしょう。
ただ、使う人のちょっとした優しさ一つで、器の寿命が延びるだけでなく、
使われてこそ完成する器の美しさを、見ることも出来ます。

“うつわ”へのごくごくあたりまえの思いやりを、
整理して見ますので参考にしてください。
これに皆さんの暮らしに合わせた、
方法を加えていって、皆さんの思いやりを育ててください。
今日は、5つあげてみた思いやりのうちの3つをご紹介します。

 ●思いやり1  
やきものは、特に土ものは、(出来ることなら石ものでも)
使う前に、水やお湯にくぐらせて下さい。
そうしていただくだけで、冷たいものは冷たく、
暖かいものは暖かく食べることが出来るだけでなく、
お茶や汁を注いだり、盛り付ける前に、素地に水がしみ込ませておくことで、
器も急に汚れにくなり、使っていただくほどに、
侘びた美しさに変わっていくことでしょう。

 ●思いやり2 
器に使われるやきものは、性質で大きくわけて三つに分けられます。
土ものといわれる陶器とせっ器、石ものともいわれる磁器との三つです。
陶器、せっ器、磁器の順に堅く、素地が緻密になり、
吸水性が少なくなります。

洗うときや重ねて収納するとき、添える匙や箸を選ぶとき、
器に急に熱を加えたり急冷するときなど、
三種類のやきもののがおおよそでも判別でき、
性質がわかると扱いも自然と変わることでしょう。
ただ細かく分ければ、石ものと土ものの中間のような半磁器や、
無釉の多いせっ器の素地に釉薬が掛かっているものなどがあり、
少しややこしくなりますし、あいまいなやきものもありますから、
大まかでも、わかれば十分です。
それでも、ご自分の持っていらしゃるやきものの、
堅さや素地の緻密度合の順位が付けられるといいですね。

 ●思いやり3 
やきものは熱には強いのですが急激な温度差には、案外弱いのです。
その意味で通常のやきものは、直火に掛けられません。
直火ではないのですが、温度差の出来やすい電子レンジも、
運が悪いとアクシデントが発生しないとはいえません。
ところが、熱には強いのでゆっくり熱くなるオーブンや、
蒸し器や湯煎には、問題なく使えます。
逆になりますが、熱くなったものを冷凍庫などで急激に冷やすのも、
同じ理由でなるべく避けたいものです。

つづく

                 閑庵

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受け手のマナーと知恵

PL法ができてから、馬鹿ていねいな説明書きをよく見かけます。
自動車や家電製品はともかくとして、豆腐や饅頭ややきものなどの、
およそ手で作られるものに関しては、受け手への過剰な甘やかしが、
かえって作り手と受け手の会話を断ち切ってしまうと、
ぼくは感じています。

ふりまわすようにして持ち帰った豆腐が壊れたという人も、
一週間もまえの饅頭が堅いと文句をいう人も、
飯椀が落としたら割れたから弱いのではという人も、
みな作り手に失礼な人たちだとおもいます。

豆腐は買物篭の上の方にいれて持ち帰るべきですし、
饅頭は美味しいうちに食べるのものだし、
飯椀は、落とせば割れるけれども、
ステンレスのボールで食べるより、ご飯が美味しいのだから、
PL法の注意書きより、
受け手としてのマナーや知恵も必要なのではないしょうか。

ごくごく基本的なことの復習になりますが、
ぼくなりに感じている、工芸品を使うときの注意点を、
並べてみましょう。

やきものは、買ってきて、おろしたては特にそうですが、
使うまえに湯や水にくぐらせててから使うと、
急には汚れずに、ゆっくりと侘びた表情にかわるのを楽しめます。

洗うときはスポンジやたわしで、洗剤つけてかまいません。
汚れを残すより、ずっといいです。
でも、身体のためにも良く濯ぎましょう。
ステンレスの水きりカゴなどはおくときにゆっくりと、
大切なものを洗うときは、カゴにタオル等を敷くのも手ですよ。
陶器、せっ器、磁器の区別ができ、特性を理解しておきましょう。
  
ガラスをいつまでもきれいに使うには、
湿度のこもる場所に長くしまっておくのはさけましょう。
表面がにごってしまうことがあります。
水道水を長く入れたままにしておいて、
水が蒸発すると塩素が付いてとれなくなったりします。
特に鉢などは、蒸発しやすいの、注意してくださいね。
(クエン酸に漬けておくと、取りやすくなりますが・・・)

漆器はプラスチックや合成塗料と違い、
呼吸をするので、水につけたままにすると、
中の木地が水分を吸収して膨らみ、
漆の層とズレが出来て、故障の原因になります。
洗い方は水でもお湯でも、でもお湯の方が汚れが取れやすいですよね。
油や汚れはやわらかなスポンジなどで、
中性洗剤で洗い、良く濯いで下さい。 
 
陶磁器や漆器やガラスには、それぞれの弱さやもろさがありますが、
それ以上の魅力をもっています。
それは温かさや潤いや輝きという表情であり、
使う程に色艶を増していく楽しみです。
お気に入りの器を身の回りで使うことで、心豊かに生活できると思いますよ。

器の素材で違う、それぞれの特徴を理解して使うことや、
受け手としてのマナーや知恵を忘れてしまうと、
物や器選びの判断がにぶったり、
自分の好きなものを大切にする喜びも遠退いていってしまいます。
あらためて、受け手のマナーと知恵を見直して見て下さい。

閑庵


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吹きガラスの魅力

熱く溶けた、水飴状のガラスの素地を、ステンレスのパイプに巻き取り息を吹き込み、作り上げる吹きガラス。
柔らな形となめらかな口当たりは、一度使えば、その心地よさに魅了されます。
作り手の技と心根で作り出す器と、出会い、手に入れ、使う楽しみはまた格別です。
作り手それぞれによる個性も、不思議なくらいに、器に映し出されて来ます。
たとえば、もっとも一般的なグラスを、いくつかの点で見比べるだけで、作り手の、ガラスへのそれぞれの思いが、くみ取れます。
素地:ほとんどソーダガラスと呼ばれる、ガラスが使われています。
扱いやすく、鉛などを使わない安全なガラスです。
珪砂やソーダを調合して素地から作ったり、板ガラスや瓶などを再生したり、様々です。ガラスの持つ魅力を引き出すための工夫も、それぞれに加えられています。
フォルム:プロポーションだけではなく、持ちやすさや、使い勝手にも重要で、作り手からの、グラスの使い方や提案、時には、好きなお酒などの、嗜好までわかってしまったりします。
モール:グラス表面に作り出されたひだ状の装飾のことをモールといいます。モールの数だけ放射状になった金属線や板に、ガラスを吹き込みできた凹凸で、器の表面の装飾にします。凹凸により屈折して中身の液体の像が歪んだり、輝いたりするのが趣になります。
泡:ガラスの中にデザインされた泡は発泡させたガスか空気を取り込んで作ります。発泡は巻取るガラスとガラスの間に入れられた発泡材を熱化学反応で泡にして文様や装飾にします。空気の泡は剣山などで沢山の細かい穴を穿たり、計画的にへこましてその上にガラスを巻き取り泡を閉じ込めます。泡で屈折した光が、輝きや虹を見せてくれたりします。
付ける:吹いた本体に溶けた素地をつける方法として、帯状に巻く、ハンドルや突起を付ける、ステム脚を付けるなどがあり、造形の幅が広がり用途によって必要な形を作り出せます。
また付けるものに色や複雑な形にすることで表現がだせます。この場合複雑になるほど、息の合う助手の手を借りたり、高度な計画が必要になります。
着せる:吹いた形の上に、さらに、溶けてさらさらしている、ガラス素地を、重ねて上にのせる方法を、デザイン的に見せたのが、着せる方法です。
ガラスが溶けて固まる、動きのある表情が、魅力です。
くもり:砂を吹き付けたり、薬品で器の表面を荒らしたり、くもらせたりして、マットな表情にします。透けない、半透明のガラスの趣もまた良いものです。
アイスクラック:ガラスの素地が熱いうちに、水などで急冷しヒビやワレを作り、焼いて亀裂や鋭角な部分をならし、ヒビやワレをダイナミックなデザインとする方法です。
 ひとつのグラスでも、作り手により、表情がちがい、このような、見所を見比べれば、使う楽しみを、より広げてくれます。
それが作られるときに、熱く溶けた液体で、美しくたおやかな形になったその瞬間に、止められた、吹きガラスの器を、手に取り、使ってみてください。
  閑庵 

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これは、なにやきですか?

「これは、なにやきですか」とよく尋ねられます。とても難しい質問です。この問いのほとんどが、何処で焼かれているかをお尋ねになりたいようです。ところが、そこにまぎらわしさが生まれてしまいます。
 土地の名前がついても、備前焼、信楽焼、唐津焼、萩焼などの作風や手法がある程度限定されるときは良いのですが、美濃焼、瀬戸焼きなどの窯の所在を示すだけの意味で表現される場合が問題なのです。話が少しややこしく成りますが、たとえば美濃で焼かれた織部焼も、瀬戸で焼かれた織部焼も、その意味では織部焼でありながら美濃焼であり、瀬戸焼なのです。もともとは、『やき』は手法や種類を分ける意味の言葉だったのが、現代のように手法や、土の流通が解放されてからは東京の織部(焼)も不自然ではなくなりました。 
 話が少しずれるのですが、シルクロードの終点の日本には、歴史の流れの中で様々な文化や技術が流れ込んできました。やきものも例外ではなく、なかでも朝鮮半島や、中国からの影響は大きく、現在も広く使われている手法が多くあります。中国からは白磁、青磁、染付(中国では青花セイカと呼ばれた)、赤絵などが伝わり、朝鮮半島からは三島、粉引、刷毛目、伊羅保が伝わり、現在も各地で模作や独自性を加えたさまざまのものが焼かれています。いっぽうやきもの戦争といわれた文禄、慶長の役後、日本に連れてこれれた半島の陶工たちがやきもの新風を送り込み、日本の風土になじんでいき、その後藩制が布かれてからは各藩の名物として立派な収入源となり、他藩への技術の流入をふせぐため『一子相伝』という方法や藩による許可制が取られたりしました。また茶道でいわれる国焼き(瀬戸以外の国で焼かれた茶器のこと。ただし京都の焼き物は当時から各地の陶土を使うため別格とされている)は小堀遠州の時代に多くの名品を出し各窯の知名度を高めました。そして現代、昭和平成のやきものの人気や、観光みやげや窯業産地の売り込みシール貼りなどで、多くの人々の耳になじみやすい◯◯焼きという呼び方が定着していったようです。
 現代の公募展(日本伝統工芸展など)の多くでは『焼き』を省き、志野、織部、備前、萩、上野、九谷などといっています。あるいは、手法や、釉薬をあらわす染付、青磁、白磁、炭化焼締、辰砂、刷毛目、粉引などを使い、つづけて後ろに形を表す壷、鉢、皿、花入、急須、茶碗、茶入などを付け加えて、備前大壷、青磁花入、織部茶碗、炭化焼締輪花鉢というように使われています。
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爽やかな食器

稲垣明子さんの作る“うつわ”は、
爽やかさにあふれています。
陶器(練り込みや面取りの“うつわ”)も、
磁器(線象眼や結晶釉の“うつわ”)にも、
共通していますが、
特にこれからの季節のは、涼やかな磁器が、
より爽やかに目にうつります。
稲垣さんの“うつわ”を光に透かすと、
驚くほどの光が通り透けます。
使っている素地が、とてもガラス質化するもので、
作っているからです。
この素地、実はロクロをひくための素地ではなく、
石膏型などに鋳込んでつかう素地なんです。
当然調合は、鋳込み制作に合うように、
水はけの良い用に作っているわけですから、
ロクロでひきだすには半端でなくひきにくいはず。
一般的に粘土である陶土より、
石の粉である磁土のほうが、
ロクロがひきにくいのですが、
その比ではないようです。
でもそこは、いわゆる根性のある稲垣さん。
あの小柄で、かわいらしい彼女のどこに、
パワフルなまでの制作意欲は秘めているのかな?
また、制作方法もやたらに面倒で手間のかかることが多くて、
その割には、買いやすい価格。
その分一杯作らないと大変なはず。
本当に頭がさがります。

グレーシリーズと彼女か読んでいる、
線象眼の“うつわ”は、カリカリ彫って、
そこに酸化金属の絵の具を入れ込んでいきます。
スマートなフォルムと、
品のある絵柄の取り合わせは、
心地の良い“うつわ”として、
長く安定して供給できるようにデザインされています。

結晶釉のほうは、釉薬をたっぷりかけて、
それが溶けて流れる様は圧巻ですが、
まますると、棚板と一体化。
うふふ、取れません。
そこまで溶けて流れた時のほうが、
皮肉にも色はいいらしいですよ。
そのままではとれないんですけどね。
そのために、すべてが原則一つずつの作りです。
いわば出たとこ勝負。
なんて怒れれていまします。
訂正。予期された偶然です。

このいずれの“うつわ”も、
完成までの方法論は異なっても、
出来上がった“うつわ”としては、
稲垣流の、爽やかな食器に仕上がっています。

             閑庵
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形を生み出すフォース

物作りに大切なのは、
形が何も無いところから形を作り出すフォースです。

やきものだったら、土と火という原点があれば、
ガラスだったら、珪砂とソーダーという原点があれば、
布だったら、糸を機と染料といえ原点があれば、
あとは作り手の作り出すという気持ちのエネルギーで、
形になっていきます。

角掛さんのとてもモダンな“うつわ”に初めてであったときに、
なぜか縄文土器に感じるエネルギーを連想しました。
硬質に焼かれて、金属を感じるほどの質感なのに、
なぜなのだろうって、思いました。

後ほど、東北盛岡の郊外で生まれ育ったと伺い、
「うーん、もしや先祖のエネルギーが、
原風景として焼き込まれているのかしらん?」
そんな風に、勝手な想像を働かせました。

角掛さんの作り出す“うつわ”には、
鋭さと、スピード感が受け取れます。
そのためかぼくには、安定した質感や色合いなのに、
渋い鉄色の肌から、華やかさが見いだせます。

常滑で作られているお話しを伺っていると、
常滑の・・・ラテン系な風土のなかでこそ、
(ぼくが勝手にそう思っているだけですから、あしからず)
角掛さんの形作るフォースが、
伸びやかに放出しているのだと、
そう思いこんで、楽しんでいます。

そういえば、スターウォーズっぽいかも?

             閑庵

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爽やかな澄んだ素地のガラス

荒川尚也さんのガラスの特長に、澄んだ素地と、
動きのある泡を上げることが出来るでしょう。
吹きガラスを作るときの素地のガラスは、水飴の様な状態です。
その流動する液体から、作りだす力仕事は、
大変ダイナミックな技です。
溶けたガラスの動きをそのまま止め、
封じ込める仕事を、荒川さんは意識しています。
まるで流水の中の泡を、瞬間に閉じこめた器ですが、
それは明らかに演出された、デザインです。
ほとんどが意図的に計画的に、入れられた泡。
自然発生ではなく化学的に発生させる泡は、ごく自然に見えますが、
器の中に美しい動きとしてデザインされています。
清涼感が溢れても、無機質感や冷たさを感じないのは、
澄んだ素地に入ったリズミカルな泡が、
動きを感じさせるデザインとして成功しているからです。
閑庵



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凛とした”山葡萄の籠”

企画展で、アケビの籠を毎年ご紹介しています。
人気の買い物籠などは、夏を演出する風情から、
街で持ちバッグとして認知されて、
特に小振りなものは若い方々まで、
積極的に使って頂いています。

作り手の高齢化や、山が荒れて材料不足で、
細くなっていく手仕事の籠にとっては、
嬉しいことです。

そんな中、近年山葡萄の籠へに、
人気には目を見張る物があります。
元々その丈夫さなどは優れたものですが、
手間がかかるために、価格も高価です。
それでも、という目のある方々が増えたのは嬉しいことです。

ところがその分、製品としてみたときに、
品不足や貴重という現状になっています。
需要が増えると、甘さが出てくるのか、
扱う側としては、悲しく感じることも時にあります。

優れた技を、後生に伝え、
広げて行くには、良質な作り手、
目の確かな使い手の、
心のつながりが大切と、
そう思っています。

参考の画像は山葡萄ブリーフケースと、買い物籠です。
記録画像かこれしかないので、見えにくいかもしれませんが、
持ち手の細部や縁の巻き仕上げの綺麗さは、
目を見張る物があります。

              閑庵

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清潔感**<好い”うつわ”の条件>2

器は盛ってこそ、器の真価を発揮します。
食器なら料理やお菓子。酒器ならお酒。
当然口に運び、食べたり呑んだりするもの。
そんな器なのですから、
心地の良い清潔感が必要です。

清潔感には個人差がありますので、
大きなくくりでお話ししますが、
それでも、ぼく個人の好みが反映されてしますことでしょう。
ご勘弁を。

陶器やせっ器なら土味の柔らかさや、
暖かみが欲しいところです。
それが陶器やせっ器の魅力そのものなのですから、
ただ、それでも良く焼けていることが必要です。
良く焼けながら、土味を殺さない。
作り手の器へのやさしさや思いは、
不思議と器からにじみ出ます。
陶器であっても、なるべく丈夫で汚れにくい器をと、
作り手は焼き方や釉薬を工夫します。
土味を醸し出しながらも、
しっかりと焼けているいる器は、
清潔感があります。

磁器は、使っても表情の変わらない堅牢さや、
光を透かす透明感や、気品ある輝きが、真骨頂。
その意味でも、しっかり還元炎で焼かれた質感が、
美しいく好ましいですね。

ガラスでも、漆器でも、
それ自体それぞれの材質からの特性が違っても、
目にしたとき、手にした掌、口を付けた感触から、
清潔感を感じて、評価や好感度が高くあるべきです。

それぞれがそれぞれに使われるときに、
清潔感ある器が、長く可愛がって頂ける結果になると、
そう思っています。
             閑庵

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爽やかな“うつわ”

今日はまさに風薫る五月の陽気。
新緑が青空に映えて、爽やかな風にそよいでいます。
早足で歩くと汗ばむ季節。
自然に食べ物や、飲み物への嗜好も春から夏へ。
衣替えのように、器も自然に選び出す物が変わります。

ガラスの出番も自然に増えてきます。
冷たい飲み物を入れ、露の付いたグラス。
冷えたデザートの入ったボウル。

静やかな、薄手の磁器も目に涼しい。
青白磁、白磁、染め付け。
涼しげに盛りつけた初鰹。
緑の色鮮やかに新茶を注ぐ。

加えてせっ器をたっぷり水に浸して、
盛りつければ、水との相性の良い焼きしめなどは、
涼やかで爽やかな表情に変わります。

初夏の日差しを感じる日々。
器も、一足先に夏の装いをするのも、
また楽しい。

           閑庵

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あけびの籠

ファッションとして、伝統的な作りの籠が見直されています。
手仕事から生み出される心地の良い質感、デザインの面白さ、
アケビという天然の素材、それに、丈夫な事が、
多くのファンを増やして来ているのだと思います。

近年は若い方にも街で持つ夏のバッグとして使われ、
人気があるのは嬉しいことです。
アジアの物よりどうしても価格が高くなってしまいますが、
それ以上に得るものを認めていただけているからだと思います。

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作り手の高齢化、天然素材のために深刻な材料不足など、
問題は山積しています。
籠のファンのぼくらとしては、
良識ある消費者としての応援が一番の近道かと、
この15年ほど、企画展を続けています。
自然素材と手仕事から生まれてアケビの籠を、
ぜひ、手に取ってその「和」のティストの質感を、
貴方自身で確かめてみてください。

               甘庵

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心をセレブにする“うつわ”1

心をセレブにする“うつわ”1
五月晴れの空の元、爽やかな風に吹かれて散歩に出た。
木々の緑が映えて、色とりどりの花が咲き、香りも楽しめる。
静かな公園は、小鳥もさえずりも聞こえる。

心地よさにつられて、ついついいつもより遠くまで足を延ばした。
初夏の日差しの中の散歩は、案外喉がかわく。
やっとたどり着いた頃は、すぐにでも冷たい飲み物が欲しいところだ。
そうなれば、吹きガラスのお気に入りのグラスで・・・・。
さて、何を呑もうかな?
冷たい水?冷えた麦茶?だいぶ錬れてきた梅酒を炭酸で割るのもいいかな?
大きめのグラスに、氷をいっぱい入れてダージリンティもいいな。
それとも、ここは頂いた空豆を肴にビールと言う手も。

冷たいグラスの全面に露がついて、溶けた氷の動いた音でグラスが鳴る。
それだけで、喉の乾きがうすれ、心の中まで潤う喜びがある。
吹きガラスの良さはまず、口当たり。
滑らかで心地の良い口当たりは、グラスの中の飲み物をより美味しく感じさせる。

1400度の溶けた液体を、身体で覚えた技で見る間に形作られたグラス。
そんなことを思いながら、吹きガラス一杯の冷たい飲み物で、
ゆったりとした午後のひとときを過ごす。

*画像のグラスやうつわは、荒川尚也さんの宙吹きガラスです。
    
                    閑庵

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季節のうつりかわりを映す

爽やかなメうつわモが欲しい季節になってきました。
このカテゴリでは、荻窪銀花の催し物で紹介したメうつわモを、
機会毎にアップしていきます。
今回は巳亦敬一さんの彩りガラスです。

         甘庵




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想定内での仕事

昨日までふるえていましたが、
今日は朝から気持ちの好い風が吹いています。
気温もどんどん上がって来ました。
吹いている+気温上昇>吹く+夏>吹きガラス
と、ぼくの工芸頭の中はこう展開していきます。
当然、企画展の予定が常にリンクしていきます。
で、ちょっと宣伝をかねてのお話。
画像は巳亦敬一さんの吹きガラスのうつわです。
和楽3月号にも丁寧に取り上げていただいたので、
ご覧の方も・・・・ブログと和楽はリンクしそうもないね。

吹きガラスは、ステンレスのパイプに、
溶けたガラス素地を巻き取って、
パイプから息を吹き込み、
風船のように膨らませていき、
ガラスが固まるまでの短いあいだに、
技とセンスで速やかに形作るものです。

そのためには、前もってデザインを決め、
綿密な組み立て方法を計画的に裁かなければなりません。
当然、細かな修正をその場の判断で行わないとなりません。

青い鉢のたて線は、あらかじめ作った色ガラスの棒を埋め込んでいます。
金太郎飴のようにして作るトンボ玉と同じ方法で作り、
ビユーンって、細い棒にのばしておいた物を、
パイプに巻き取ったガラス素地が柔らかいときに、
均等に巻き取り、だんだん膨らませ、
うつわに形作られていくほどに伸び、なじんで行きます。

抹茶色の器はさらに複雑で、
白いガラス粉とグリーンのパーツと、
輪切り状態にしたトンボ玉を、
それぞれのタイミングで埋めこんで、
全体の形をまとめ上げます。

もちろん、これは大雑把に理屈だけで、
それを、あれよあれよと作りだすには、
考え及ばない陰の努力や、それをこなす技があります。

それでも、手間をかけられるだけかけたのでは、
食器としての価格におさまりません。
そこは、時間との勝負。
下準備、入念な計画、センス、
そしてなにより、
さまさまな状況に"想定内"と動ずることなく、
完成させる技が必要です。

甘庵

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しりが張っていて くびれた胴 なでやかな肩口

これは、まるで美しい女性のチャーミングポイントを、
愛でる言葉のようですが、
あいにくとここでは、たとえば徳利などのモうつわモの部位を、
表現する言葉なんですよ。
他にも、首、口、胴、手、足、目、耳・・・。
などがあります。

これは、やきものやガラスなどの器が、
とても身近で、またオーナーの心入れが強く、
常に、なでなでしながら、
(確かにぼくはそうですが、ぼくだけでは無いと思います)
素材感や質感を、
楽しんでいるからこそ定着していた言葉でしょう。

たとえば、小振りな手酌の徳利を可愛がっていただいでいて、
やはりお気に入りのぐい呑みで酒を呑む時には、
二つの器が作り出す、取り合わせの気配を楽しめるんです。
お気に入りの酒器自体がモ肴モなんです。
うつわ自体がモ肴モになるというのは酒器を選ぶ時の、
ぼくの基本の物差しです。

お気に入りの酒器を肴にしている場面を、
言葉にすると、冒頭の文章になるんです。
続けて、画像の酒器でぼくが友と酒を呑んでいたとして・・・。

灰釉のたっぷりかかった小振りの徳利に、
よく冷えた純米酒をいれて、久々の友と酒を酌み交わす。
肩口に付いた小さな耳がアクセントになっている徳利を持ち、
躍動的にはった緊張感の美しい肩から腰にかけて、
すんなりと窄まり尻にまで届きそうな溶けて流れた灰釉が、
ひとしずく、涙型のガラス状にたまっている。

杯をもった友の手の合間から伸びやかな轆轤目が見える。
火間の見える、口の開い粉引きの杯に、
小気味よい音をたてて、徳利のしまった首から注ぎいれると、
芳しい米を凝縮した香りが立つ。

友が徳利を受け取り、緻密でいてざっくりとした土味を、
楽しむように小振りな徳利を両掌で包み、
片方の掌で肩を、もう片方の掌で腰と尻をなでるようにして、
ひとしきり感触を楽しんでから、
ぼくのマット白磁のスリムな姿のぐい呑みに、
飴色がかった、粘りのあるよう見えてしまう濃い液体を注ぐ。
注がれた淡い米色が、ぐい呑みの見込みで梅型を作る。
蹴轆轤でひきだして柔らかな時に、
胴を凌いで、均等に五つの縦の谷を作る。
そのために中に入って液体の縁が梅花に見える。
酒を注ぐと、梅花が花開く。

互いにうつわ好きのぼくらは、
互いのぐい呑みと、
中を行きつ戻りつする徳利と、
もっとも気の置けない友である互いを、
肴にして、杯を重ねていって・・・・。

と、なるわけですよー。
どうですか。
オヤジ同士でもこうして酌み交わす酒だと、
ちょっとは、絵になるのではないでしょうか。
と、自分への希望的観測も含めて・・・。

            閑庵

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のぞき

"のぞき"ってんで、
ちょっとHな気持ちや興味で覗いた方、
誤解ある言葉でごめんなさい。
画像のような、深めの向付のことを、
(むこうづけ:懐石などで刺身などを一人分ずつ盛りつける器)
その姿からモのぞきモといいます。

器の中に描かれた絵や文様を、
器の内側を見込みということから、
見込み絵といわれます。

まぁーこれらは、深めの小鉢や、
内側の絵でも間違いではないのですが・・・。
昔の言葉には、何か動きがある表現が多くて、
ぼくには魅力的です。
上手く伝わっていってくれたらと思います。

                 閑庵

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美味しそう!!<好い"うつわ"の条件>

人それぞれに、器を選ぶポイントがあると思います。
ぼくにとっての好いメうつわモの条件を、
独断と偏見で書き連ねてみようと思います。
まずはじめに、美味しそうなこと。
これはもう、絶対条件。

たとえば飯椀。
ぼくら日本人のほとんどの人が、
口を付けて食べます。
湯呑みやマグの用に液体のものは、
世界でも口を付けて飲みますが、
お椀はどうでしょ。
やはり口を付けて飲むでしょ。
中身のおみそ汁やお吸い物は、いわばスープ。
スープは、スプーンやレンゲですくって口に運びます。
そのために、掌(たなごころ)という手に持った感触を愛で。
口当たりを楽しみます。
当然のこと、好き嫌いも出てきます。
それは、ぼくらが無意識ながら、
器を食べているからなんです。

こんな、当たり前の基本習慣が、
器への嗜好が強い国民性になっていると思います。
同じ絵柄の用途に応じた形の器が、
とっかえひっかえ出てくるより、
料理に合わせ、時候に合わせ、
器同士の色合いや質感を考えて、
器が組み合わせれて出てくる、
和のしつらえのほうが、
嬉しくなったりしませんか。

カップ&ソーサーではなく、
湯呑みと茶托というように、
やきものと木や漆器などを、
取り合わせを楽しむのさえ、
和の好みとしては、器を目で食べているんです。
ですから、器自体が美味しそうでなくっちゃー。
と、ぼくは思っています。
          閑庵

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えぇー天然なんですぅー**

細かい泡が立って美味しいビールが飲めるカップと、
研がれた米と美味しい水で作られた美酒を注ぐのにぴったりの片口。
どちらも、伊豆天城の天野雅夫さんの作品です。
片口が青いのは一目瞭然ですが、画像ではわかりにくいのですが、
ビアカップも光の加減で紛れもない青が見えます。
実はこれは同じ伊豆の土から作られているそうです。
どちらの青も、天然の土が青い色を持ているんです。
天野さんの言葉をお借りすれば、火山や温泉のいたずらかも。

izublue.jpg


片口がわかりやすいのですが、
釉薬は透明から少し乳濁する釉薬で、色釉ではありません。
土のなかの青い成分であるコバルトと釉薬が反応して、
青い色を引き出すように焼いています。
もちろん、発色出来るようになるまでには、
天野さんの研究と焼き方の工夫があって、出来上がった仕事です。
同じように、ビールカップもただ焼くのでは、
鉄の茶や黒が勝ってしまうことが普通なので、
コバルトの青を発色させる焼き加減が難しいようです。
とはいえ、天野さんが工夫して作り出し、
イズブルーと名付けたこれらの仕事は、天然の土があってのこと、
この土は、通常の土の数千倍のコバルトを含有しているそうです。
うーん、陶工は土の語りかけが聞こえるのかもしれませんね。
陶工と天然との関わりには深い物がありますね。

                閑庵

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同じ匂いの兄弟弟子

清流を瞬時に固めて切り取ったようは荒川尚也さんの四方杯。
遠く遙か彼方の懐かしきガラスを想わせる巳亦敬一さんの色ガラス小鉢。
全く違うような二人の作風ですが、
うつわとして使ったときに、同じ風が流れます。
同じ匂いを感じます。
それは、心地よさであり、安心感であり、
色気であり、楽しさであり、何より個性です。
実はお二人は、「同じ釜の飯を食った」
・・・いわば兄弟弟子になります。
札幌にある巳亦さんの仕事場は、
敬一さんで3代目のガラス工場です。
荒川さんも天下の北大では全く違う畑の勉強をしながらガラスの世界に魅せられて、
この工場の門をたたいたと聞いています。
その時の親分が、二代目の巳亦さんのお父さんになります。
そう離れていない年もあって、共にそこで仕事を覚えていった、
あるいは遊びや、工芸論も戦わせたのかもしれません。
それぞれが全く違う個性で、それぞれのガラスを表現している今。
二人の仕事を四半世紀見つめてきて、感じることは、
底辺にある何かが同じなのではないかと、
だからこそ、それぞれの違った方向性のなかに、
ばくは同じ風を感じるのだと思っています。

         閑庵

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ツバメ見ました

昨日は9日ぶりのオフで、雑用に追われてあっという間の一日でした。
そんな一日だったので、はじめたばかりのブログなのに、休んでしましました。
こんなことでは、得意技の必殺三日坊主になるのも見え見え。
あわあてて、とりあえずビール・・・ではなく、何か書き込まなければと。
で、ツバメ。
若いツバメなどと表現される男のツバメではなく。
飛んでいる鳥の本家ツバメ。
昨年見た番い(つがい:ってこう書くんだー。それで丁番かー。)に違いありませんね。同じところに巣をかけるって聞いていますけど・・・。本当なんですね。
今時分は、一日間が空くと路の景色が違ってしまいますね。
ぼくが通う路では、様々な花が今を盛りと、咲きほこっています。
なかでも、圧巻はバラです。
量感のある姿。華やかな色合い。なんと言っても香り。
洋種も花では、負けなしでしょう。
花というより、華というにふさわしい一つでしょう。
                      閑庵

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下手なお絵描きも、数描きゃー・

荻窪で四半世紀やってるうつわ屋のオヤヂが、
毎企画展毎に墨と顔彩で描いています。
下手ながらも、25年も続けていると、
妙な気配ながらも、独特の形にはなってきます。

何より看板なのだから・・・。
目を引くことが第一の目的ですが、
派手な色でも、ポップな絵でもなく、
地味になりつつあるかも・・・。
お客さんこれでは惹けないかな。
      閑庵
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自分のうつわ

この季節に新生活が始まった方多いでしょうね。
入学、就職、転勤、結婚、引っ越しと・・・。

そんなときに、新しい器を求めたり、
お気に入りを持って移動したり。
その器って、自分の器ではないですか。
マグカップ、湯飲み、ご飯茶碗、お椀、箸・・・。

ぼくたちがなにげなく、
自分専用の器を使っていますが、
これってぼくらにはあたりまえでも、
世界のなかではそう多い習慣ではないんですよ。

器好きな国民であることも要素なのでしょけど、
それだけではなく、自分の器をもつのは、
ご飯茶碗を考えるとわかりやすいのですが、
直接器に口を付けて食べる習慣が、
影響しているかもしれませんね。
これも、日本と中国などの一部の習慣みたいですよ。

新しい生活に向かうときに、
気持ちを変える切っ掛けに器を新調したり、
お気に入りの器を大切に持って行くのも、
きっと、“自分だけの器”で、
器が暮らしのなかで、大切でいて、
心のなごみのアイテムでもあるからだと、
器好きなぼくは、勝手にこじつけています。

さて、皆さんは自分だけの器をいくつもっていますか?
新しい生活を始める時を切っ掛けに求めた器や、
記念の器がありませんか?
大切な記憶と一緒に使って行きたいものですね。

mycup.jpg


さてぼくも、マイカップでコーヒーブレイクします。

                     甘庵


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本物が残るのはむずかしい

「森くみ子さんの藍は本物です」
こういう言い方するのがいやで、妙に突っ張って、
「手を抜かないあたりまえの藍です」
といっていました。
広報活動としては、失格なのはわかっているのですが、
いつまで経っても青いぼくは、
そこらあたりの表現がすべてストレート過ぎて、
意味なく反感を買ったり、
不本意に傷つけたりもしてしまっていました。
反省はしています。なかなか直らないけど。

mori18.jpg


でも、本当のところを伝えたいという気持ちだけで一杯でした。
本来当たり前の仕事であって、
それを売りにするのが潔くないと・・・。
でもそれは、森さんのサイドでの問題で、
橋渡しのぼくは、少しは媚びを売ろうが、
微笑み絶やさないようにして、
「NO」ばかりではなく、ちゃんと「YES」も言えないと。
良いとわかっているのだか、
まずは手に取ってもらい使ってもらえば、
必ずファンになってもらってきたのだから、
この際だましてでなんでも・・・。
そのぐらいでないといけないんですよね。
やっぱり反省。

mori17.jpg


昨年の銀花での企画展の後に、
森さんの大切な心の支えの方が急に亡くなり、
仕事のパートナーが事情でおやめになり、
なかなかスタッフが育っていかない・・・。
本当に一気に色々がありました。

15回企画展を続けてくださって、
本当に手を抜いていない仕事を、真剣に続けてきたことを、
しっかり見せてもらいました。

すくも(タデ藍を発酵させた藍染めの元です)を、
ふすまと木灰のアクでたています。
それ以外は何も手を加えません。
藍分をスムーズに出すために、
お酒や水飴をいれたり、ハイドロなど使ったりしません。
地道に長く出てくる藍分を、
何度も何度も布をつけて、染めて行きます。

mori09.jpg


濃い藍分で一気に染めたものと、
ちょっと見た感じは変わらないのですが、
長く使っていき、何度も水をくぐり、
灰のアクがだんだん抜けて、
藍の色がどんどん澄んできます。
実態感としてぼくも、少し使わせてもらっていますが。
使ってくださっているお客様が、
身につけて来てくださるスカーフや服が、
10年目あたりから、ぐーんと冴えた色合いになってきました。
うーん。
こういうのは、なかなかわかってもらえないですよね。

mori16.jpg


ともかく、昨年はいろいろ合って、
現状として、とりあえず、森さんは来年以降の活動を、
見直し、検討し、整理する段階にきています。
良い先を期待したいのですが・・・。
荻窪銀花での確実な予定は今回の企画展までです。
ともかく、藍の色を見てみてください。
皆さんの応援をお願いします。
たくさんの理解者の声は、
きっと森さんを勇気づけます。

mori.a.jpga>


何でもない、本物の仕事に是非ふれてみてください。

          閑庵

本物が残るのはむずかしい

「森くみ子さんの藍は本物です」
こういう言い方するのがいやで、妙に突っ張って、
「手を抜かないあたりまえの藍です」
といっていました。
広報活動としては、失格なのはわかっているのですが、
いつまで経っても青いぼくは、
そこらあたりの表現がすべてストレート過ぎて、
意味なく反感を買ったり、
不本意に傷つけたりもしてしまっていました。
反省はしています。なかなか直らないけど。

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でも、本当のところを伝えたいという気持ちだけで一杯でした。
本来当たり前の仕事であって、
それを売りにするのが潔くないと・・・。
でもそれは、森さんのサイドでの問題で、
橋渡しのぼくは、少しは媚びを売ろうが、
微笑み絶やさないようにして、
「NO」ばかりではなく、ちゃんと「YES」も言えないと。
良いとわかっているのだか、
まずは手に取ってもらい使ってもらえば、
必ずファンになってもらってきたのだから、
この際だましてでなんでも・・・。
そのぐらいでないといけないんですよね。
やっぱり反省。

mori17.jpg


昨年の銀花での企画展の後に、
森さんの大切な心の支えの方が急に亡くなり、
仕事のパートナーが事情でおやめになり、
なかなかスタッフが育っていかない・・・。
本当に一気に色々がありました。

15回企画展を続けてくださって、
本当に手を抜いていない仕事を、真剣に続けてきたことを、
しっかり見せてもらいました。

すくも(タデ藍を発酵させた藍染めの元です)を、
ふすまと木灰のアクでたています。
それ以外は何も手を加えません。
藍分をスムーズに出すために、
お酒や水飴をいれたり、ハイドロなど使ったりしません。
地道に長く出てくる藍分を、
何度も何度も布をつけて、染めて行きます。

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濃い藍分で一気に染めたものと、
ちょっと見た感じは変わらないのですが、
長く使っていき、何度も水をくぐり、
灰のアクがだんだん抜けて、
藍の色がどんどん澄んできます。
実態感としてぼくも、少し使わせてもらっていますが。
使ってくださっているお客様が、
身につけて来てくださるスカーフや服が、
10年目あたりから、ぐーんと冴えた色合いになってきました。
うーん。
こういうのは、なかなかわかってもらえないですよね。

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ともかく、昨年はいろいろ合って、
現状として、とりあえず、森さんは来年以降の活動を、
見直し、検討し、整理する段階にきています。
良い先を期待したいのですが・・・。
荻窪銀花での確実な予定は今回の企画展までです。
ともかく、藍の色を見てみてください。
皆さんの応援をお願いします。
たくさんの理解者の声は、
きっと森さんを勇気づけます。

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何でもない、本物の仕事に是非ふれてみてください。

          閑庵

水を入れたグラスも液体?

グラスの表面ってすごくなめらかですよね。
それは、ガラスが液体のまま固まるからです。

溶けて水飴にみたいなガラスを、
ステンレスのパイプに巻き取って、
ふぅーって息で膨らまして作っていって、
だんだん粘りけが出てきて、
形作られるころに固まります。
でも、これって、
すごく粘りのある状態の液体が、
堅くなった液体って言うことなんだそうです。

たとえば、水の固体は氷ですよね。
これは氷点で結晶してしっかり結びついて固体になりますが、
ガラスは、結晶しないので、
あのなめらかさがあるんだそうですよ。

arkw03.jpg


この瑞々しい表情からだこそ、
日本では、ガラスを暑い夏の器として取り上げたのですが、
これって意外なことに、日本人独特の好みのようですよ。
先人たちの感性には見習うべき物がありますね。

蒸し暑い夏、冷えた水を汗かいたグラスで飲む。
うーん、美味しいですよね。
これって、液体のグラスで、液体の水をのんでいるって言うことですね。
なんだか、不思議ですよね。
                甘庵


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うつわの楽しさ お伝えします

うつわ屋閑庵です。

器好きの皆さん。
ちょっと興味ある皆さん。
器をあまり意識してなかった皆さん。

器を好きなり、お気に入りの器を使うと、
楽しいですよ。
お茶やお菓子を食べる時も、毎日の食事も、
暮らしの広がりができて、
心和むゆとりがきっとできますよ。

手で作られた器について、
気になること思ったことを、
ほとんど独り言になりそうですが、
器が大好きなぼくから皆さんに、
いっぱい伝えいこうと思います。
よろしくお願いいたします。


真鍋芳生招き猫



道楽かん工房 張り子招き猫 
荻窪「銀花」http://www.kan-an.com/

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