うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

楽しい荷ほどきは進みません

明後日からの中條さんの作品を荷ほどきを少しました。
うーん、華麗で豪華で絢爛。
かと思うと、まるで絵本の世界のように、
ほほえんでしまう可愛い絵柄も出てきます。

日本の装飾の美しさと、
ほのぼのしたメルヘンを楽しみながらの作業のため,
ちっとも進みません。
休みの今日も、夕方から残りを解きます。

その一部を見せちゃいますね。
どちらも尾形乾山の写しというか、
ぼくらの暮らし似合わせて発展させたものです。


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絵変わりの組皿です。
一組の“うつわ”を絵変わりで楽しめるのは、
揃えない魅力を好む和の美意識です。
図案の違いを楽しむだけでなく、
季節感や、構図の趣など、心の遊びです。


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向こう付けです。
意図的に切り抜いた穴が開いていて、
それを図柄の一部としえ取れ入れる面白みは、
和の風流・・・そう、数寄心ですね。

こんな感じで一つずつ見入ってしまうので、
ちっとも進まないんですよ。
でも、楽しいですよ。
“うつわ屋”やめられません。
 
         甘庵

西川さんのガラス 4 「光」

吹きガラスの器の作り手はほとんどの方が、
ソーダガラスの素地を使われています。
西川さんもソーダガラスのカレットや、ガラス瓶を溶かして作っています。
鉛クリスタルグラスのように、
屈折率の高いガラスではありませんが、
ガラスは光の環境で、ずいぶん違った表情を持ちます。

窓から入ってくるお日様の光に、
ガラスは綺麗に輝きます。

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夜ともなれば照明器具の明かりの中で、
使われたり鑑賞されたりしますが、
このときに、蛍光灯の光より、タングステンランプなどの電球の光の方が、
ずうーっと、なまめかしく煌めき、キラキラした輝きは、
華やかでいながら、心を和ませる演出になります。

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西川さんの素地は少し濁りというか、
澄ん無色ではなく、わずかに飴色がかっています。
その少しある素地の色合いの素地は、
光を受けたときに、とても艶めかしく感じるのは、
電球の赤みがかった光や、
晩秋から初冬の赤みがかった足の長い光が、
とても似合うからです。

蛍光灯の光は陰影がでません。
そのために、働く環境、ときに事務仕事などには、
まぶしさがなくて良いのですが、
時として、ものつくりや、心を和ませるには、
明るくても堅い光ですので不向きだと思います。

同じ棚の上のガラスを
蛍光灯の光と、
電球照明の光で撮影しました。
いかがですか。
蛍光灯の方は、姿形やディテールは読みとれますが、
心に響きません。

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ちょっと手元が暗くなりがちですが、
やはり電球の明かりの方が、
ずーっと、ガラスの表情が生き生きしています。

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夕方になり暗くなり始めたときに、
電球だけの光のすると、
まるで時代が逆行したか、アンティーク屋さんの店内のようになります。
とても心が落ち着いて良い感じです。
ただこれは好みなのでね。
ぼくはこの光遊びが大好きです。

                 甘庵

作り手の来店

昨日中條さんから電話があって、
「中條正康 あたたかな絵の器 展」12月2日(金)の初日には、
荻窪銀花に来店してくれることになりました。
久々にお目にかかるので、今から楽しみです。
ちょうどぼくと同世代で、おじさん同士気軽でいて、
作り手と、橋渡し人ですが、
“うつわ”大好きで工芸に関わっているということで、
より話しが心地よくできます。

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それに、いつもお話しするように、
中條さんの人柄も、やはり“うつわ”そのもの。
それはそれは、暖かくて優しい方で、とても聞き上手なんですよ。
一口にいってしまうと、我慢強いっていうか、
マイペースで、いつもかわらずに穏やかな方なのでしょう。
大変な仕事に違いない、手数が多く、細かい作業の上絵ですが、
淡々と、好きな仕事として、楽しんで仕事をしていらっしゃるに違いありあません。
だからこそ作り出す“うつわ”が、
ちっとも窮屈さがなく、長閑でおおどかな気配に満ちているんだと思います。

可愛い図柄が描かれた“うつわ”のどれもが、
軽薄ではなく、品と格をしっかり持っています。
季節を感じさせてくれる“うつわ”でも、
夢の中の図案のようでも、料理をしっかり受け取り映えさせて、
会席の“うつわ”としても、楽しいパーティでも、日常の食卓でも、
華やかに彩ってくれます。

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中條さんの“うつわ”のファンの方も、
まだチャンスがなかった方も、
“うつわ”と一緒に中條さんにあって頂けると、
ぐっと身近になり、楽しい“うつわ”が生み出されるのが、
無理なく納得出来ると思います。
是非、中條さんに会いに来てください。
       
               甘庵

変わってきているガラスの季節感

四季のはっきりした日本だからこそ、
暮らしの中のあらゆる物に、
季節感を盛り込み楽しんでいます。

“うつわ”もご多分に漏れず、
絵柄や質感や素材などあらゆることから、
四季を楽しんんでいます。
四季への振り分けもなされ、
“うつわ”としては歴史の浅いガラスも、
空調がない時代に、涼感をうける印象から、
夏の“うつわ”として多く使われ、
夏の代表的な“うつわ”になりました。

四季がなくなった訳ではないのですが、
暮らしぶりは大きく変わりました。
それに見合った“ガラスのうつわ”の使われ方や、
季節割が出てくるのも自然かと思います。

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今日は穏やかな晩秋の休日となっています。
朝店に来たら、エントランスに吹きよせが・・・。
きっと似合うだろうって、
西川さんの「うぐいすアイスペール」を持ち出して、
撮影してみました。
秋色にも似合うガラスでしょ。

ボジョレーヌーボーを楽しむ習慣さえ定着したほど、
今は年間を通してワインが飲まれるわけで、
特に年末年始などは、華やかさも手伝い、
ワイングラスなどガラスの出番も多いはずです。

こうしていつの間にか、
“ガラスのうつわ”の新しい季節感も生まれてきています。
そんな中で、今回の西川さんのガラス展のテーマも、
「冬晴れのガラス展」としました。
ハレの場で、心まで華やぐ色使いの楽しいガラスです。
29日(火)まで開催しています。
クリスマス、暮れの贈り物にも良いと思いますよ。
ぼくだったら贈って欲しい物ばかりだなー。

            甘庵

遊び心と作り手 1

開催中の西川さんが遊び心を、
たくさん吹き込んでガラスの“うつわ”を作っているお話しをしました。
銀花で企画展をお願いする作り手は、
“うつわ”としての使いやすさは当然として、
加えて 、遊び心がある作り手になってしまいます。
その遊びは作り手の感性や個性で違うのですが、
それはもう、作り手自身の分身である“うつわ”という以上、
作り手の色気でもあるわけです。
ゆとりや遊び心が、“うつわ”に魅力の巾を持たせてくれます。

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次回の企画展12月2日(金)からの、
「中條正康 あたたかな絵の器 展」の中條さんは、
一口にいうと、気持ちが暖かくて可愛いおじさんです。
それがそのまま絵付けになっています。
絵だけで足りず、サインまで遊んでいるんですよ。

でも、ちゃんと大人ですから、
可愛く楽しい絵なのですが、甘ったるさはないんですよ。
媚びで書いているのではなく、
自分が一番楽しんで描いているんです。

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日本の四季の豊かさが絵になっていたり、
楽しさを煮詰めてオリジナルの図案にして描いた器は、
知性的な大人のメルヘンを楽しめます。

もうすぐ、飾りつけで、誰よりも先に拝見できるのが楽しみな、
大人になれずに老けていくぼくです。

                甘庵

西川さんのガラス 6 「ステム」

西川さんの話にもネタにつまって来たので、
ちょっとディテールのことになりますが、
ステム(脚)のことについて思うところをお話しします。


ワイングラスや、ゴブレットなどの、
上の液体の入るカップ部分と、
下のベース(台)やボトム(台座)と言われる、
普通は平たい円盤をつなぐ部分をステムと言います。

グラス類の高さやデザインは、
暮らし方に・・・・特に天井高さや、空間に比例した高さになるのではと、
ぼくは、感じています。

有名なクリスタルグラスのブランドメーカーのワイングラスには、
いかにも華奢で美しいプロポーションのステムが数多くありますが、
あれは、欧米の天井の高い空間でこそ似合うものという気がします。

家具の脚も同じに感じます。
歴史的にたどると、ギリシャの列柱に由来するとか、
どこかで聞いたような覚えがあります。
そうそう、ロールスロイスのフロントグリルの垂直線が強調されているのも、
その列柱だとか・・・・これも怪しい記憶ですがね。
それが、近代の建築空間になって少し天井が低くなり、
特に一般住宅などは、そうそう欧米でも天井が高いところばかりではないはず。
そんな空間にあわせるように、
グラス類も少しくだけて、脚の短い物がデザインされてきているようです。
先のワイングラスもメーカーによっては、ステムもボトムも取り払って、
カップ部分だけの物が販売されてきています。

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さて、西川さんのワイングラスやゴブレットを見てみると、
そんな歴史や伝統をどこかに滲ませ伝えながらも、
日本の平均的な建築空間と暮らし向きに似合うプロポーションのデザインです。

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晴れのグラスであるワイングラスやリキュールグラスは、
夢があって、眺める楽しみがあるステムになっています。

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少し日常的でも、コップよりはちょっとおすまししたゴブレットは、
安定した形ながらも、台座とカップの組み合わせ方が、
オシャレにデザインされています。

そして西川さんのステムにある遊びは、
色使いの上手さに加えて、
その色がカップやステムやボトムに映りこんで、
手に持って視点を変えることで、
レンズ効果や屈折によって動きのある景色になっています。

お気に入りのワインやリキュールを傾けながら、
そんな遊びの仕掛けをほどく時空を、
楽しみたい物です。

甘庵

西川さんのガラス 5 「遊び」

3「形」で「揺らぎの有る形」の魅力についてや、
キャンドルスタンドは“うつわ”とは少し違う楽しさを形にしたことを、
お話ししました。
ここには「遊び」というキーワードがあります。

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アワを生み出す方法や、
スクラップ工場で型になりそうな物を探すことも、
色を重ね合わせていく自由な心も、
これらは全て西川さんの遊び心からのことだと思います。

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西川さんは瓶が好きだとおっしゃいます。
確かにとてもお上手で、評判が良く、
ファンも多い作品です。
ぐい呑みは、手にした心地よく感じる重さや光と遊ぶ楽しさが、
肴になるんです。
瓶でもぐい呑みでも、ともかく楽しい“遊びのあるガラス”なんです。
いくつも欲しくなるし、使い方をいろいろ考えたりして楽しんでしまいます。
これも、西川さんが、作る時にバリバリの遊び心を、
溶けたガラスに吹きこんで作るからに違いありません。

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並んでいる西川さんのガラスは表情や形に、暖かみがあり、
リズミカルな色使いや煌めきと一緒に、
楽しそうな話し声や笑い声が聞こえて来るようです。
それも、作り手西川さんの”遊び心”が吹き込まれているからだと、
思っています。
                
          甘庵

“うつわ屋のご馳走”

嬉しい電話が昨日ありました。
太田修嗣さんの「三段のお重」を、今年初めにご注文をいただき、
やっと出来上がりって、お届けしたお客さまからです。
無事着いたこと、気に入ってくださったことを、
ご丁寧に、お客様からご連絡くださったのですが、
少しお話しさせていただきました。
伺ったお話がとても嬉しくて、皆さんにもお裾分けです。

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「とても温かな表情で、使うのが楽しみです」と、
仕上がりにご満悦でした。
その使い方として、
「特別なときではなく、普段に使おうとおもっています
ぼくが一人の時などは、デパ地下に空で持っていって、
和食だけでなく洋食でもなんでも色々詰めてもらって、
自分のチョイスでケータリングみたいにして、
このお重でご飯を食べれば豊かな気持ちになれるかな・・・」
「酒の肴をしつらえておいて、もてなすのもいいし・・・・」
「三段はいつも使えなくても、2段でも1段でも気楽に使おうかと思ってます」

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そうなんです。ご注文頂いたお客さまは、紳士です。
近年残念ながら男性のお客様の比率が下がる一方なので、
同じ大人の男性として、力付けられるお話しで大変嬉しくなっております。

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お椀などは、お客様の工夫や柔らかな発想で、
ずいぶん自由にお使いになっているの伺います。
まだまだ漆器全体では、気軽に使うことへは抵抗があるようですね。
とくにお重は、お正月などの晴れの時だけのお目見えになっています。
今回のお話しでは、合成樹脂の密閉容器とはいいませんが、
気軽に暮らしに取り入れて、このお重のもつ“うつわ”としての心地良さを、
最大限に楽しんで頂けるようです。
“うつわ屋”にとっては何よりの”ご馳走”でした。
改めて、九州のI様 ありがとうござます。

                      甘庵

西川さんのガラス 4 「技」

西川さんは造船関係の仕事をなさっていたことで、
とても金属にも近しいところがあって、
それは、ガラス作りの力になり、良い結果を見せてくれています。

西川さんのガラスの特徴に、
型を使う上手さがあります。
吹きガラスですから、溶けたガラスをパイプに巻き取って、
息を吹き込んで、形を作って行きます。
それが基本ですが、ちょっと工夫した型をつかうことで、
全く一人でなさっている割に、
大変形のバリエーションが多いのは、
その技のおかげだと思います。
その型のことを伺ったら、
全部自分で作るだけでなく、応用や流用や、
アレンジで作られることが多いそうです。
スクラップ工場に出向いて、
いろいろな金属部品やパーツを物色して、
その時に触発されたりイメージがわいた物を、
アトリエに持ち帰り、工夫したりアレンジして、
使える物が出てくるようです。

これは、金属への造詣が深くて、
事実加工や制作も出来るからこその技です。

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ガラスが隙間や穴に入り込んで、
形が面白くなるのを利用して、
モールと言われるひだや、
西川さんがアラレ模様といっている、
出っ張った水玉模様も、型を工夫し上手く使う技から生まれて来ています。

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さてこれはどんな風に型にいれたのかなー。と、
熱く粘りのあるガラスの動きを想像しながら、
“うつわ”をなで回して、楽しんでいるぼくです。

                甘庵

西川さんのガラス 2 「色」

この時期に西川さんにガラス展をお願いしたのは、
西川さんの色使いが楽しくて巧みだからです。
太陽高度が低くなり、光が入る混む窓辺で透かしてみたり、
日が短くなって、照明器具の点灯時間が早くなり、
また長く点すことになるため、
素地が少し飴色だったり、青味がかった吹きガラスが、
照明器具の光を受けて、電飾のクリスマスツリーみたいに煌めいています。

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ガラスの色として、トラッドな色をお使いなのですが、
出来上がった色は西川さんの色に見えます。

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アワで白くした素地に赤の使い方が可愛い!
ぼくにはサンタさんの衣装に見えて仕方ありません。

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赤にうぐいすと青を緑が、幾重にも重なった瓶。
口から覗いて光に透かすとまるで、万華鏡。

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濃い緑や深いブルーの花器。
巻き込んだアワやモールで光が揺らいで海の中みたい。

そうなんです。
西川さんの色ガラスで、光と遊ぶと、
妄想趣味のぼくに、たくさんの連想をくれて、
使い勝手の良さ以外に、
何倍も楽しませてくれます。

              甘庵

西川さんのガラス1「アワ」

西川さんは、タンカーなどの船舶を作る仕事をしていたそうです。
思い立ってガラスを作ろうと、沖縄にいって技術を取得したそうです。
そのために、再生ガラスの方法が基本になっています。

今でも沖縄にアトリエがあり、
一年のある期間はそこで制作し、
同時に沖縄の暮らしも満喫しているそうです。

前に伺った話では・・・、
沖縄にいくのも、飛行機ではなく、
のんびり九州の端までは電車やバスで、
その先は船でと・・・・・。
旅そのものを楽しんでいるそうです。
西川さんが着いた頃においでになるご家族は、
飛行機だそうです。

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個性あって同時に魅力的な作品を作る作り手は、
確実にご本人が魅力的です。
オーラがあるというのはオーバーでも、
どこかカリスマ性さえお持ちの方だったり、
チャーミングだったり、
ともかく魅力的な方が多いですね。

西川さんもお話しから、とても感性の鋭さと、
個性有る視点が伺われました。

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仕事の流れは、カレットという、ガラスのチップやインゴットを坩堝で溶かして、
溶けたら“うつわ”を吹いていくそうです。
それは、コーラやビールの瓶を崩して溶かして、
“うつわ”を作っていた沖縄の手順を、
専用のガラスの粉や粒を溶かすことに変えただけで、基本は同じです。
粉だったり粒だったガラスが溶けるときに、
周りの隙間の空気を素地にまき混むので、
素地にはアワがいっぱい入っています。
このアワの入った素地が、
どこか懐かしく温かな表情のガラスにしています。
ところが、作っているときも当然強い火で熱し続けられます。
そのために、時間の経過とともに、中のアワが出て行っていまい、
アワ無しのガラス素地になってしまします。
そこで、アワを発生する秘密兵器が必要になってきます。
発泡材です。

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それはもう化学薬品だとおもったので、
人により違うでしょうから、どんな物を使うのかお尋ねしたら、
「台所の廃油です」って。
「それってつまり、唐揚げあげたり、コロッケあげたり、天ぷらの・・・」
「そうです。ゴミをよけて、坩堝にいれかき回します。そうすると黒い煙がもくもくって・・・」
つまり、ほとんどがC=炭素 とH=水素でできている油は、
1400度になろうという溶けたガラスの中で、
瞬時に酸素を反応して炭酸ガスや水蒸気になるそうです。
そうだ、炭酸ガスのアワってことです。

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水に炭酸ガスが一杯はいったソーダ水に、
異物を入れと「シュワー」ってアワが溢れますが、
その瞬間を固めてしまったような感じなんです。
溶けたガラスの中にあふれ出た炭酸ガスを、
そのまま閉じこめたガラスです。
そういえば、アワが沸き立って溢れそうだったり、
シュワシュワって音が聞こえそうなガラスですね。

                  甘庵

西川さんの吹きガラス

西川さんの吹きガラスからぼくが感じることに、
次の三つのことが上げられます。

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【異国の香りがあるガラス】
ばくは、西川さんの作り出すガラスに、どこか異国の香りを感じます。
西川さんは、瀬戸内での造船の仕事から思い立って、
沖縄でガラスの技を勉強したそうです。
こうした経歴からの影響に加えて、現在のアトリエは瀬戸内は三原市です。
海に程近いところに住んでらしゃるのも、
何か外を向いたスタンスで仕事をしていると、感じさせてくれるのかも。

【材質感を引き出す】
西川さんの仕事は、ガラスでありながら冷たさのない肌合いです。
その上、重量感があります。
ガラスとして特別でない素材ですが、品格がある姿と表情をもっています。
それが西川さんの作り出すガラスの魅力です。
その中に、ぼくは異国の匂いが感じます。
和食器とはどこか異なる香りを持っているように感じます。
沖縄でガラスの技術を習得したこともあって、
琉球ガラスの始まりのように、再生ガラスで作っても、
それがコーラの瓶やビール瓶だったとは想像しにくい、
鮮度の高い上質の表情を引き出しています。
ハイカラな味付けや懐かしい異国が感じられる不思議さがあります。
色使いや、ディテールや、フォルムからは、
ガラスの技術が伝わった頃の気位が感じられます。
ビールもワインもハンバーガーもパスタも今は当たり前の物になり、
異国を感じる事は少ないほど、身近になりました。
同じように伝わってきたグラスがいつのまにか、
おまけにもらう物と化しているのは、
豊なのかどうかと、考えてしまう現状です。

【懐かしい香り】
作り出す器のアイテムにも、エキゾティックな匂いがある物が多く、
ぼくらに身近になって生活にとけ込んだ、異国の料理を受け取り、
引き立てる華やかさと使いやすさを持ち合わせています。
ビールの酷を味わえ、デザートを華やかに盛り映えさせる。
そこには懐かしい異国の香りがあります。
  
さて、手に取った皆さんはどんな風に感じることでしょう。

          甘庵

冬空に似合う色合い

深い緑、濃い赤、落ち着いた青・・・・。
荻窪銀花が、華やかながらも冬の装いに満ちたガラスに溢れています。

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すこし飴色がかった素地のガラスに、
色ガラスがアクセントに使われたり、
二色三色と重なり溶け合ったり、
複雑でいて、重厚な色使いは、どこか懐かしさを感じます。

それは、冬の空から注ぐ冷たい光や、
早めに点される灯の光に、とても似合います。

点すといえば、キャンドルスタンドも素敵です。
安定したステムにおすましした形や、可愛らしい物など、
似合う色や形のキャンドルを選ぶ楽しみがありそうです。

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年と共に、たくさん呑むより、
気に入りの酒をなめるように楽しむようになってきたぼくには、
“うつわ”は何よりの肴。
肴になるぐい呑みやグラスがたくさんありすぎて、
心が泳いでます。

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ここにも、少し画像を載せましたが、
いつも、銀花のお知らせメールに登録していて、
催し物案内をご覧の方々は、
画像だけはとりあえずアップしましたので、
舌足らずの説明より、見て頂く方が確かです。
ぜひ、覗いてみてください。

            甘庵

冬に映えるガラス

ガラスは夏というイメージが強いのは、
どうも日本人だけのようです。
たしかに透ける素材は、水や氷を連想させます。
また、液体まま固まるのガラス独特の性質から作られる表情も、
高温多湿の日本の風土では、
涼を得る、夏の器として好まれたのは自然です。

一年中空調の効いた空間で暮らすことの多くなったぼくらは、
違う意味でのガラスの姿や表情を見直しても良いと思います。
そこで、今回の企画は「西川孝次 晴れのガラス展」として、
魅力的に色ガラスの使うガラスの西川さんに、
クリスマス、暮れ、お正月を控えた華やかな冬のこの時期に、
「晴れ」を意識してガラスの器を作っていただきました。

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緑と赤が深く重なり合った色合いなどは、
もう、そのままクリスマス。

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アワで白くなった雪のような素地に、
アクセントに使われる赤いガラスは、
美味しそうで、とてもチャーミングな器に。

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アワで白くなった雪のような素地に、
アクセントに使われる赤いガラスは、
美味しそうで、とてもチャーミングな器に。

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休み明け金曜日から、
少しずつ作品についてお話ししますので、
楽しみにしていてください。

                甘庵

太田修嗣さんの魅力

長くお付き合い頂いていることもありますが、
太田さんの漆器をずいぶん使わせてもらっています。
それはもう、特別なものではなく、普段使いの器です。
でも、同時に心が安らぐ器です。
何気なく丈夫で使いやすいのですが、
とても個性的で、力強い器です。

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塗り上がった表情や質感や色なども、
太田さんらしさに溢れていますが、
何より、姿形だと思います。

漆器の椀のそれとは、どこかちょっと違うんです。
むしろどちらかといえば、
やきものなどの他の器の姿を思わせる物があります。

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これは、ぼくらが普段に漆器を使うことを考えると、
とても、自然で、なじみやすいことだと思います。
器好きなら、揺らぎのない形の磁器の器ばかりではなく、
石物でも土物でも、作り手の思いや個性の滲んだ器を、
自分の器にしている方が多いと思います。
そんな器が並ぶ食卓なら、型と疑うような姿の椀より、
「ああー太田さんが汗してロクロ挽いた椀だー」と、
感じられるそんな椀が好ましいと、ぼくは思います。

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毎日使っている飯碗が、
土を選び、ロクロで力強く挽かれ、
木の灰で調合された釉薬をかけられ、
高い温度で焼かれ、釉がたれたり縮れたり窯変している、
そんな強い表情を持った飯碗を選んでいても、
太田さんの椀なら、決して負けずに、互いの個性を引き立てあいます。

木地材を選び、横木で挽いて、時に乾燥の歪みを、
木の力をとらえて取り入れた姿は、
とても力強くて、伸びやかで、雄大です。
やきものとは全く違う素材なのに、
器の向いている方向が違わないと思えます。

取り合わせの楽しみを、
普段の食卓で、毎日楽しめます。
             甘庵

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京都人 その2

先日藤田佳三さんが京都人のお話をしました。
彼はどうも・・・上賀茂神社に繋がるような話をしていましたね。

思いだしました。
まだ、いらしゃいました。
今、普段使いの漆器展に出していただいている松室裕重さんです。
若い頃には北海道でペンションなさっていたそうです。
「いろいろ遊んでました」という松室さん。
現在は南木曽で木地ロクロを挽き、
漆を塗っています。
その松室さんは、珍しい姓だと思って伺ったことがありました。
「実はもともと京都なんです」
「そうなんですかー、京都って奥が深いですよね。
東京みたいに、ちょっと前の江戸がそのままのところと違います物ね。
『先の戦争』って言っているのがどうも話がちぐはぐだと思って伺えば、
応仁の乱だって!!信じられない・・・・」などと話していて、
ちょっとついでに「松室さんちも古いお家なんですか?」と聞けば、
「そうですね・・・一応1300年前までは、たどれるようですが・・・・」って、
何言ってのこの人!!
なんでも、「月読神」をまつる月読神社に関わるお話しらしいです。
で、その月読神さまは、天照大神さんやスサノウの命と兄弟なようですが、
松室さん曰く「何の役にもたっていない出番の少ない神様」なんだそうです。
ちょっと月読神の月読社を調べてみたら、
「京都市西京区松室山添町」とありました。
なるほど、松室山ですかー。
やっぱり奥が深いなー。
京都は。

神話の話は、覚えられないのに、
嫌いではないので、ご縁があったので、
その下りあたりや関わるはなしを、
また、ちょっと読んだりしてみました。
不思議な神話の世界も、たまにはいいですよ。

                甘庵

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普段使いの形や仕上げ

工芸屋に器を探しに来てくださるお客さまの多くは、
手仕事の器を好まれるからでしょう。
もろん漆器にも、そんな器を望まれることでしょう。

全て漆器で揃えるために一環してデザインされた椀を、
一つだけ取り出して、
手のあとや匂いのある飯碗と揃えた時には、
仕上がりの優劣ではなく、しつらえのセンスとしては、
いかにもそぐわない物になってしまします。

それはちょうど、揃いでしつらえられた、
組み物の磁器の器を一つだけバラして、
自分の器に使うような感じにも似ています。

つまり、普段使いの漆器になるための一つの要素として、
ご自分が普段使っているやきものやガラスの食器と、
取り合わせしたときに、似合う形や表情や持っていて欲しい物です。

きっちり仕上げ過ぎたものでは、
ざくっとした土味の灰釉の飯碗にも、
柔らかな表情の粉引きに飯碗にも、
似合うとは思えません。

ゆったりとしたロクロ挽きや木の質感表情が滲んだ椀こそ、
お気に入りの土味のある飯碗や、
勢いのあるロクロ目の飯碗に似合うと思います。

また塗り仕上げも、完全に表情の艶やか過ぎる漆器では、
使ったとたんに傷がつくのではという、
プレッシャーを与えられます。
少し艶を押さえて、たっぷりと塗り重ねられた漆器は、
普段使いにして、使っては、洗い、拭く。
を繰り返すことで、艶が上がってきます。
使った記憶は、細かな傷などとして残ることもあるでしょう。
それでも、拭き上げられることで、日を追う毎に、
しっとりと艶やかになっていきます。

ぼくの手元にある、10年、20年と使われた椀や鉢は、
艶やかなこっくりとした表情になっています。
つまり、陶器でもお話ししたように、
使うことで使い手が、楽しみながら仕上げていく器の表情です。
手慣れて来た椀で食べるおみそ汁は、格別です。

               甘庵

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偏った二極化

「二極化」、世の中でそんな言葉が聞こえて久しいですが、
どうも工芸屋にとっても、言えているようです。
今回の企画展の「普段使いの漆器展」にお出かけくださったお客さまと、
お話しさせていただいていると、
普段使い積極派と、
普段使いを否定ではなく考えてもいなかった派に、
二極化しているようです。

積極派は、今更ぼくが漆器の説明などする必要もなく、
よくご存じだったり、暮らしの中に取り入れて楽しんでくださっていたりする、
漆器を普段使いにしたいと思ってくださっているか、
既に使っているお客さまたちです。

反する漆器への感心が薄い方の方が、
世の中では多数側なのだなーと。
悪意でなく、ただ、漆器への認識が希薄で、
特別な好感もお持ちでない方々のほうが、
多くなってきているなーと、改めて思いました。

漆器の質感表情は素敵だけど、
それは特別な食器で・・・・・。
という方々に、いいえ漆器は普段使い出来るんですよ。
と、お伝えすることばかりを考えいましたが、
うーん。
そのまえに、まず漆器に接していないですものね。
たしかに、たとえばグルメとして色々食べる機会のある方でも、
外食では、接するチャンスは少ないですよね。
お料理屋さん、和食屋さんのなどの、外食産業では、
まず漆器は使っていません。
ほとんどが、プラスティックの椀や鉢。
ちょっと良くても、天然木加工品(だいたいが木の粉を樹脂で固めた物)に、
合成塗料を塗った器ですね。
これに、カシューや漆を塗った器でさえまれですね。

木の素地に漆をしっかり塗ったものが漆器と思っているぼくには、
外食では出会うことないですね。
って、第一、高級なところへは行けませんしね。

これは、自宅でも同じなのだと思います。
育つ環境でご両親なりが、器へご理解が深く、
日常的に使い慣れていれば、漆器へ誤解もなく、
漆器という工芸が自然に存在しているでしょうが、
そういう家庭環境も少数派になってしまっているようです。

ぼくが子供の頃には、車は高級なものだったり、
好きな人が乗っている物と言っていいくらいでした。
その普及率はとても今とくらべられる物ではなかったはずです。
それに反して、漆器はそれほど高級なものでなくても、
木の素地に、スリ漆を数度塗っただけや、
さらっとした塗りでも、ともかくまだまだ使っていました。

さて、さて・・・・。
世の中は、豊かになって来たと思う部分が一杯あるのに、
反面、心のゆとりが乏しくなり、ゆがみが見える気のする世の中で、
同じように、手仕事の器への理解が乏しくなってきたのを、
漆器が、わかりやすく代表しているよう思えてなりません。

この偏った二極化を憂いている“うつわ屋”としては、
まずは五分五分の二極化めざして、
ぜいぜい声高に「漆器は日常茶飯の器です」と言うばかりです。


                甘庵

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漆器の使い方

今日は、漆の使い方のお話しです。
漆器を手に入れた時は、普通なら漆器は乾いたものですから特に特別に神経質にならなくても平気なはずです。
洗うときは柔らかなスポンジや布で洗いましょう。
汚れは中性洗剤で洗い、水か湯でよく濯ぎましょう。

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漆は塗り上がって漆器になって乾いた状態から、約半年ぐらいの間に、透けると言う現象がみれます。
とくに、木地が見える塗り方のスリ漆や拭き漆や、木地呂などは、塗りたては黒っぽく木地が見えなかったものが、だんだん漆が透明感を増していって、木目が見えてきます。これを透けるといっています。同時に漆の肌も塗りたては柔らかくこの期間でぐーんと締まり強くなります。
その意味では、半年は赤ちゃん扱いしていただけるといいと思います。たとえば椀などは、貝類の具を我慢して方が賢明です。貝の殻は固いので、箸でかき回しているうちに、運が悪いと欠けた貝の殻の部分などで、擦り傷を作りやすいことになります。
半年以降はだんだんと、塗膜面がしまってきますから、特に気にする必要がなくなってきます。
漆器は熱にも強いですし。使うとき、洗うときに硬いものと喧嘩しなければ、何の心配もありません。
 たとえば、金属の匙やフォークなどを使うことや、洗って“やきしめ”のざっくりしたやきものに重ねておいたりするのは、避けましょう。洗った後に良く拭けば色艶をどんどん増して行きます。

jp430.jpg


 仕舞い方は、とくに難しくはありません。使う頻度によっていろいろでしょう。
おみそ汁の椀などのように、毎日使うようなら、食器だなにそのまま他の食器と一緒にしまって良いと思います。ただ、重ねる時に出し入れでこすり傷が付かない工夫は必要でしょう。ザクザクした肌のやきものなど直ぐ隣でない方がいいですよね。日が射し込む食器棚も、紫外線に硬化していくので避けてください。
 長くしまうなら、和紙や柔らかい紙、または布で包んでしまいましょう。出し入れで落としたり傷が付くアクシデントがないように、箱に入れるのも優しい選択です。
仕舞う場所は、出来れば温室度の安定したところがよいでしょう。漆器は中身が木であることをイメージしておいてください。反ったり歪みそうな条件の所は避けてください基本的には、人がいられる場所なら、問題はありません。

jp412.jpg


 万が一、落としたりした事故で壊れたり、あるいは使っていて、何か故障が起きたときは、なるべく早く、手に入れたところや作り手に相談して、必要なら補修や修理をしてもらいましょう。全てが治るわけでも、元通りに修理出来るわけではないですし、補修後の色合いも、変わることもあるでしょう。それでも塗装の範囲なら、かなりの修復が可能です。手間のかかる仕事になることなので、内容によっては有料になるでしょうが、。その時はお使いになる方の、採算性や思い入れとの判断でしょう。

     甘庵

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熱々がご馳走の鍋

寒くなって来ると鍋が美味しくなりますね。
具材も冬に向かって、魚も鶏も脂がのりますし、
葉ものも霜が降りると一段と美味しくなってきて・・・。
ごっくん。

でも、貧乏人な上にグルメでもないぼくには、
食材はそこらに有る物です。
ただ、暖かさが何よりのご馳走。
ただであさえ、熱い物好き。
上あごやけどしながら食べてしまうのが日常のぼく。
はふはふしながらいただく熱々の鍋は、
冬のご馳走です。

その時に、フルに活躍するのが、
20年になろうという、太田修嗣さんの漆器の丼です。
黒に勢いの有る、朱のはけ目で、
やはり好物の丼物や麺類を食べたりと、
一年中出番が多い器です。
なかでもとくに、冬は多くなりますね。
鍋から取り分けたものを冷めずに食べられ、
やきもののように、食べているうちに器が熱くならないので、
何とも具合がよいのです。
もう鍋の取り鉢は漆器に限ります。

食材はそこらに有る物ばかりすね。
たとえば、土鍋に昆布だしの水炊きって感じで、
白菜や豆腐やキノコや長ネギ・・・など。
鶏にみじん切りのネギと卵を塩こしょうして、
良く練ったものをスプーンで落としていって、
ポン酢やスダチやゆずでさっぱり食べることが多いかな。
うどんや餅をいれて食べたりします。

だしの出た鍋のつゆを使っておじやも良く作ります。
きれいに具を食べたあとに、残りの具を取り除いて、
たっぷりの日本酒を入れて、
ちょっと濃いめに感じる程度まで塩で味付け。
ひたひたになる程度にご飯をいれて、
いったん火を強くして、沸騰してきたら、
弱火にして、ご飯に吸われてほとんど汁がなくなるまで待ちます。
溶き卵をいれて、火を止めて一呼吸。
卵が半熟の時に、マイ漆器椀にたっぷり注いで、
はふはふして食べます。
ごくん。
食べたくなってきました。

漆器で食べる、熱々なのだけの鍋料理レシピでした。

               甘庵

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失敗しない漆器選び 3

樹皮に傷を付けてにじみ出る樹液を大変な苦労をして集め。
かぶれるその樹液を何度も何度も塗り重ねて出来る漆器。
その漆器は他のどんな塗料より美しく潤沢なその色つやは、
比べる物がありません。

もしかしたら、その美しさのために、
弱そうとか、普段に使えないと、
思われてしまうのかもしれませんね。

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でも、本来は木の椀を、
丈夫にするために漆を塗った物です。
木地のままの椀を使っていて、
そのままでは汚れたり痛んでいくのを、
油や、柿渋など色々試して、
漆を塗るのが一番丈夫だという結論に至ったからです。
つまり、漆は木の器を使いやすくするために施した方法です。

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木の保温力と、熱に強い漆の性能から、
暖かい物を暖かく食べれるのです。
塗装ですから、残念ながら傷は付きます。
だからといって常識的な使い方ではそう気になることはないはずです。
金属のナイフやフォークなどを使わない。
自分の手の甲をこすって痛い物で洗わない。
そんな程度のことでいいのです。
他の食器と同様に洗剤で洗いましょう。良くすすぎましょう。
強いていえば、丁寧に吹き上げるのが優しい思いやりかな。

兎にも角にも漆器に必要以上の過保護はいりません。
中身が木の塗装した物という、
認識で十分です。

使い方が、不安なら、橋渡しのお店の方や、作り手に伺いましょう。
お椀に熱い物を入れてはいけないなどと、
おっしゃるお椀なら、にこっと笑って、
「検討させていただきます」とかいって、
他を探しましょう。

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どんどん使ってくださいというお店や作り手のものなら、
まず、安心なのではないでしょうか。
だって、それが漆器本来の姿であり、
目的なのですから。

          甘庵

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顧客あり遠方より来たる

昨日は秋晴れもあって、
心地の良い一日でした。
その上、とても良いお客様に恵まれて、
“うつわ屋”としては感謝に溢れる一日でもありました。

ぼくの心にとても印象的だったお客様たちのことを、
お話しさせてください。

ひとかたは、お友だちへのプレゼントをお探しにいらっしゃいました。
送られるお友だちのイメージから、
大振りの土物のぐい呑みを探されていました。
そんなご相談を気軽になさってくれました。
とてもプロの扱いのお上手な方だと思います。
条件とイメージをはっきり提示していただければ、
それに一番近いと思われる器をご提案出来ます。
「どこで探せばいいのか迷ってHPにたどり着いたら、
職場の凄く近くでした。また来ますね」と、
店を気に入ってくださったようで、とても嬉しく思いました。
うん、HPもがんばらないと。

続いて「ご紹介で上の歯医者さんに来たのですが、はじめて来たときに、
ずいぶん前から気になっていたけど、遠くてと思っていたお店があるのを、
歯医者さんに入る前に見つけて、とてもうれしかったのよ」
と、歯医者さんのお越しの時に、お立ち寄りいただくお客様と、
漆器から器談義を、楽しくさせていただきました。
その上、お客様ご夫婦のために、
小振りの椀のお取り置きまでしていただきました。
お年をお話しの中で伺い、自分の母親と同世代。
乗り換えなしでおいでになれるとはいえ、
隣の県から、足下軽やかにお出かけ下さる、
気持ちのお元気さに、うん、“うつわ”好きの効果!!と、
都合良く思いこむぼくがいました。

「こちらをいただけますか?お手を煩わせてしまいますね」
たまたま在庫をだすために、かがんでいたぼくに、
そうお声をかけてくださったのは、品の有るお婆ちゃま。
お選びになったのは、小振りで薄造りのソバチョコ型の口が少し開いたグラスでした。
お包みしていると、こんなお話しを、
「年を取り首をいためたので、このような形のグラスが飲みやすいんです」
なるほど。
この話を友人に後で話したら、
「元々は気泡を楽しむために長く深い形だったフロート型シャンパングラスだけど、、
女性があおって飲んであごの下を見せないようにと、
ソーサー型のシャンパングラスが乾杯用に使われるのよ」と、
レディらしいお話し。いたみいります。
いずれにしても、器は使う物、
器選びには、年齢や身体にとっては、楽に使えることの大切さを、
改めて教えていただきました。

「こんにちは~」と明るいお声は、久々のご来店。
メールでご注文いただいていた加藤財さんのポットを取りに、
遠路はるばる地球を半周り。
思い出せば一年まえに・・・、
雑誌で見ていた加藤さんのポットをお探しに来店いただいたのですが、
その時は、せっかくおいでいただいたのに、
全く間に合わなくて在庫のない状況でした。
理由などお話しながら、せめてはと、店で使っている加藤さんの急須で、
お茶を差し上げました。
その時の企画展は、今回の「普段使いの漆器展」にも、
出品してくださっている松室さんの個展でした。
漆器がいかに使いやすく、心地の良い物かを、
機関銃連射のように熱く語って・・・だったと思うんですたぶん。
だって、聞き上手なんですよ。
そこまでおじさんががんばって言うなら、
試してあげましょうって、言う感じで、
だまされたように・・・だましてはいませんけど。
お椀を2つお求めいただきました。
その後、使いやすく重宝しているという、メールをいただきました。
それはそれは、とっても嬉しくかったです。
そしてまた、お約束通りに、漆器の企画展にあわせてご来店いただきました。
たまたま昨日ブログに書いた「麺鉢」をち2つも、お求めいただきました。
そうそう、レイアウトにつかっているお敷きも。
毎度ありがとうございます。な上、
ブログにも、ラーメン用に麺鉢を選んでくださった書き込みを早々にいただきました。
ほんとうに、至れり尽くせりのお客さま遠方より来たりでした。

どの方も共通なのが、心のこもったご挨拶を先にされちゃうことです。
いつも、ぼーっとしていたり、PCに向かっていたり、ご飯たべたたり・・・のぼく。
「拝見します」「みせてくださいね」「こんにちは~」
それぞれの言葉で、明るくお声をかけて入ってきてくださいます。
素敵なきっかけを頂くわけで、
そこは、頑固なわりにお調子者のぼく、
皆さん器好きが見え見えの明るく楽しいのりで、
器を手にとってくださっているのですから、
それはもう、自然と会話がはずむわけです。
まぁーおおかたが、一番器好きのぼくが、
一人で押しつけを語ってしまうのですが・・・・。

最近とみに自分が、オタクやカルトの住人ではないかと、
危惧していたので、こんな一日は、
“うつわ屋”の主人に戻った安心感に満たされて、
実に幸せな一日でした。
 
             甘庵

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ご飯を美味しく食べる椀

昨日に続いて今日は、
ご飯を美味しいく食べる椀のお話し。
漆器の椀というと、
お吸い物やおみおつけの汁類を思い浮かべますが、
懐石ではご飯も汁も椀ででてきますよね。
あれって、少ししか入っていないからなのか、
よけいに美味しく感じませんか。

漆器の保つ独特のうるんだ艶やかな質感に、
盛られた、ご飯が実に美味しそうに映ります。
ご飯の余分な水分を適当に吸うこともあるのかもしれませんね。
それに手に持って口を付けて食べるぼくらの習慣には、
掌の良さも実に心地よく、
なめらかな口当たりは、
漆器以外にはあり得ない、独特の満足感があります。

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磁器や陶器のお茶碗も良いのですが、
漆器がお好きなかたなら、
漆器の飯碗は、それはもう、毎日のご飯が美味しいこと。
ダイエットには向かないかもしれないなーと、
思ってしまうくらいですが、
それはまぁー、自己管理の世界にゆだねましょう。

精神衛生上は全体に良質の心持ちになると思います。
そういった関係の研究機関なりが、調べてくれないかなー。
ほらテレビとかで、
たとえば、紅茶の香りで女性の気持ちが落ち着くとか、
脳波で調べてわかるみたいに。
ぺらぺれしたプラスティックの器や、
手重で味気ない型物の器と、
漆器を比べてもらったら、
きっと良い結果がでると思うのですが。

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まぁー個人差は有るかもしれませんけどね。
器好きはそれぞれの好みの器で食べると、
ストレスのが解消されていって、
最終的は健康に貢献するという、
器の力がきっとあるのではと、
そう思えてしかたありません。
うーん、これはただぼくが器好きな、
ひいき目の妄想なのかなー。

        甘庵

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麺好きの作った器

これは松室裕重さんの麺鉢です。
底面の大きなたっぷりした鉢です。
側面には、朱漆でゆったり線文が描かれています。
素地の栃にたっぷりを透漆を塗り込んでいます。

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これは麺好きの松室さんが、
漆器の麺鉢で大好きな麺を食べようと、
自分で使いたくてつくったのが始まりのようです。
何気ないフォルムにしあげてあるので、
その大きさがわかりにくいと思いますが、
かなりたっぷりしていて、
松室さんは相当ね面食い・・・いな麺食いさんのようです。

径が20cmで高さが8.5cmで、
7分目までで1000cc入るたっぷりした麺鉢ですが、
サイズだけではわかりにくいと思うので、
中に「普段使いの漆器展」のダイレクトメールを入れてみました。
これは普通のはがきサイズで、約10cm×15cmです。
手前の箸はよくある割り箸で、長さ21cmです。
身近の器で、試して頂くとおわかりになると思いますが、
小振りのサラダボールぐらいの大きさだとわかって頂けます。
これで、本体価格2万円税込みで2万1千円ですが、
高い麺鉢と考えるか、
煮物鉢や盛り鉢やサラダボールにも使えて、
と、考えて頂けるかですね。
もちろん、どの使い方でも、
金属のスプーンやナイフやフォークはさけてくださいね。
後は特に気にすることはありません。

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熱々の、汁や具だくさんの麺類が、
冷めずに、口当たり良く、手持ちが軽く、
ともかく気持ちが豊かに、美味しく麺がいただけます。

例の元を取る計算に当てると、
麺鉢だけでは回数が少ないと思うので、
普段使いの椀、鉢として、
シチューや雑炊やおかゆや鰻丼や親子丼など、
具だくさんのメニューを頂く、
椀ボウル料理の出番を増やしていただければ、
十二分に元は取れますよ。

普段に漆器をどんどん使ってくださると、
きっと、漆器の魅力を見直していただけると、
確信しています。是非是非おためしください。

                 甘庵

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失敗しない漆器選び 2

漆器を選ぶ方法として、
選ぶ店を選ぶことと、
選ぶ漆器の作り手を選ぶ方法があります。

信頼のおける店でお選びになるには、
漆器への不安な思いを、
そのままの言葉で尋ねたり、問いただしてみましょう。
納得のいく答えが返ってこないようなら、
選択を考慮した方がよいかもしれませんね。
また、橋渡しの人自身が、日常に漆器を好んで使っているのが、
理想ではないでしょうか。

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また、顔の見える作り手の作品を選ぶのも方法です。
使って問題点や、メンテナンスを頼めるということは、
頼まれる方は、直すより作った方が、
普通は楽だし楽しいですから、
そうしたくないはず。
だからこそ、戻ってこないように、
しっかり塗るわけです。
それが、塗師屋の仕事ですからね。

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荻窪銀花では、漆器に限らず、
作り手が、自分の作品を大切にすると同時に、
作品に責任をもっているからこそ、
作り手の名前を明記するようにしています。

jp432.jpg


信頼のおける店なら、
横木か竪木か、どんな漆か、下地の木の材種は、
木地作りは誰が・・・・などということは、
表記するなり、お聞きになれば、
明確に答えてくれるはずです。

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とはいえ、聞くだけでは耳オーナーに。
やはり、器は使わないとわからないもの。
まして漆器は、人によっては、
「今まで使っていたのは漆器ではなかったのかもしれない」
とまでおっしゃる方がいるくらいに、
案外体験されていない器かもしれません。
是非、手に入れて使って見て欲しいです。
まずは、よく使い、元が取れる「自分の椀」あたりから、
手に入れて見てくさい。
必ず、心地の良い食事が出来ることを、
お約束します。
 
            甘庵
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改号

”カン”という、響きが好きなのと、
ガキの頃から侘び寂びに惹かれたりしていて、
書き物をしたら、いたずら描きをしたときなどの、
のんき、しずか、ひま・・・などという意味合いから、
閑庵という号を、若い頃から名乗っていました。

ところが、このところ、
すっかり年取ったこともあってか、
どうも、静か過ぎていけないと、
ここまで暇ではいかんと思い立ち、
どうせ遊びですし、届け出もいらないので、
いくつかの候補を、気軽に変えていってみようかと。

まずはじめに、
甘いという字をあてて、
甘庵とします。
あまい、うまい、満足する、よろこばせる・・などという意味に、
あやかりたいかと・・・。

まぁー今まで考えてみなかったのですが、
気に留めてみると”カン”という音で、
結構良さそうなのがあります。
他にもまだ試したい字のあるので、
そのうちにまた、気分転換に変えるかもしれません。

まず、しばらくは、
甘い感じでいこうかとおもっております。
これで、辛口の言いたい放題をブログに書き込んでおいて、
最後に”甘庵”と号すれは、
甘辛ブログで、ちょうどよろしいかと。

          甘庵

失敗しない漆器選び 1

開催中の「普段使いの漆器」にあわせて漆器選びのお話しです。
漆器の企画展中や、常設の漆器をご覧になるお客様とお話ししていると、
まだまだ多くの方に、漆器への誤解があったり、
自ら隔たりを持った方が多いのは残念でしかたありません。

使い手と漆器との距離はどうして出来てしまったのでしょうか。
たぶん、経験のなかで、
かぶれる、はがれる、色が変わったなどという経験とされてしまったのでしょう。
その点への誤解に対しては、しっかり手を抜かずに作った漆器のお話しを、
水曜日のブログには、かなり書き込みましたが、
長さをみただけで、読むのを挫折しちゃったかたいるかもしれないので、
今日から細切れで、お話しします。

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うるしは、木の名前だったり、
そこから採る樹液のことです。
木などで作られた素地にうるし塗って、
乾かした物が漆器です。
うるしは、がぶれますが、
乾いた漆は、まずかぶれることはありません。
(アレルギー体質の方でも、そうそうはかぶれないようです)

jp380.jpg


では、どうやったら乾いた漆がわかるか。
信頼のおける店には、乾いた物しかおいてありませんが、
自分で確かめる一つの方法として、
臭う漆器はいけません。
漆器は乾いた物ですから、できたてでも、
漆の良い匂いがもうほとんどありません。
そういう状態でお渡しすることになります。
ですから、店頭にあるときは、
まず臭うことはないはずです。
まして、漆器がずらっと並んでいるときに、
つーんとした匂いがすることなどありません。
いま、重なるようにして、展示してあるこの部屋も、
それらしい匂いは・・・しません。

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一つの目安として、覚えておいてください。
当然ながら、使い出す前に、米びつに入れる必要もありません。

陶器は米のとぎ汁で煮て、
漆器は米びつ・・・・って、
こういうのって、知って得する知恵のようなのですが・・・??
これらの処理する知恵が、必要ないものを選ぶ知恵を、
知らしめたい物です。

                  甘庵

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やっぱり漆器は素敵

今日から、「普段使いの漆器展」がはじまりました。
どうしてもぎりぎり、バタバタの初日なのに、
他にも処理しないといけないことやらが重なり、
ブログも今頃になってさて何をお話ししようかなー。
と、悩んでいます。

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この後まだ、登録された方専用HPの書き換えをしないとなりません。
(申し込んで頂ければだれでもなれます、HPからメール申し込んでくださいね)
デジカメで撮影、加工、HP書き換え、アップロード。
地方での企画展の構成して発送も、今日明日でまとめないと。
そうそう、お昼も食べないと・・・ね。

そんな慌ただしい状況なのに、
なんだか、気持ちが落ち着いていて、
どこかのんびりした気分でさえあります。
これは、きっと、漆器のせいかと。

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音かしーんとしている気にさえなります。
空気が澄んだような気もします。
いいえ、相変わらずiPodからは騒がしく曲が流れ続けていますし、
掃除下手なために埃だらけなのに・・・。
なんだか、そんな感じがしているのは、
漆器の持つパワーが、独特の気配を作り出すのだと、
うるし好きのぼくは、そう、勝手に思いこんでいます。
やっぱり漆器は素敵ですねー。

        閑庵

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普段使いの漆器

漆器は、やきものやガラスの器と違い生き物です。
素地は生きていた樹木を挽きだして形作り、
使いやすく丈夫にするために、樹液の漆を塗り仕上げたものです。
化学的に言えば、炭素と水素を基本にした有機素材で出来ています。
使い手であるぼくらと同じ生き物だったのです。
この点を好意的かつ正しく理解頂いて、
漆器とのつき合い方とつき合い方を知っていたいものです。
漆器は木が好きな私たちが、
木を使いやすくするため施した方法なのですが、
とても誤解が多いので、
その誤解を解くためにまとめてある物を読んでみてください。

【日常茶飯の漆器】
●漆器は日常の器です
 漆器は他に比べる物のない艶やかな独特の表情や質感から、ほとんどの方に、好感を持たれていながらも、誤解から普段には使いにくいと思われているようです。
木の大好きな国に生まれた私たちは、風土と長い歴史の中で木の器や道具を、丈夫に美しく使う方法として漆を塗ることにたどり着きました。漆は木との相性がとても良く、木の呼吸を止めずに、柔らかくしなやかな皮膜を作ります。被せたというより新しい肌が生まれたといって良いでしょう。素材感や量感を損なわずに、木を朽ちりや黴から守ってくれます。
つまり、木の器を丈夫で使いやすくするために、漆を塗ったのです。
                                          
【良くある誤解】
 ●漆器は誤解されていることが多いんです
 「傷が付きやすいでしょう」
 「洗うのがや、後始末がね」
 「熱いものは入れられないでしょう」
 「漆の臭いがとれなくて」
などといった声をよく聞きます。この質問に一つずつ答えることで、誤解が少し溶けるかもしれませんね。

【傷が付きやすいでしょう】
 ●車や家具と同じに塗料への優しさで十分
確かに、漆は塗料ですから柔らかな表面を持っています。その上素地は、木が普通ですからお使いになる方の優しさは必要でしょう。でも、過保護ではなく、工夫で充分です。漆器で食べるときは、金属のナイフやフォークやスプーンではなく、日本の食文化通りに箸や木の匙を使って下さい。しっかり作られた漆器なら、減るほど使っても、剥げることなく、侘びた美しさ見せてくれます。漆器は剥げるようでは、塗り手の恥。論外です。

【洗うのや、後始末がね?】
 ●他の食器と同じに考えてください
汚れは、スポンジに中性洗剤を使って洗って下さい。私たちにも漆器にも洗剤は残さずに良く濯いで下さい。今は、ほとんどの人が、陶磁器やガラスの食器をぬるま湯で洗っているように、漆器もぬるま湯の方が、汚れが落ちやすいですし、洗うぼくらにとっても、水よりずっと楽でしょう。他の器と一緒と考えていただいて、良いと思います。ぼくは、洗う順序を工夫しています。最後に洗い、堅い物や、尖った物のうえに重ねる前に拭いてしまいます。これで、大きな傷の原因の大部分が取り除けます。最近使う方が増えてきた食器洗浄器も、ちょっとした手間や工夫で、問題なく使えますよ。食洗器は、洗剤とお湯で、しかも、こすらず洗うと考えれば、ある意味では、漆器向きの洗う方法。ただ、中身が木であることは忘れないでくださいね。木の器を使い安くするために漆を塗った漆器は、熱に強く、酸やアルカリも強いです。けれど、生き物だったために、紫外線や乾燥には、強くありません。つまり、熱湯で洗う段階では、その丈夫さに問題はありません。問題は、乾燥する時です、熱風で、片寄って熱くなったり、急激な乾燥は、素地である木には優しくありません。そのためには、乾燥モードに入る前、洗浄が終わった時点で、いったん留めて、漆器だけ出してしまう。あるいは、そこで留めて、蓋を開けて自然乾燥。そんな工夫で漆器も問題なく、食器洗浄機で洗えますよ。

【熱いものは入れられないでしょう】
 ●漆器は熱に強い塗料です
 木は保温力を持ち、熱が伝わりにくく、漆は熱に強いので、熱い汁を熱く食べる為に、自然と椀が選ばれました。余談でいえば、塗料としてだけではなく、良い接着材でもあります。たとえば、昔から焼き物の繕いとして、「金継ぎ」と言われる方法につかわれています。漆を接着材として使うので、熱い食べ物も入れられる器として使えるわけです。茶釜の多くは、鋳物であるために、カタチから上下二つに鋳込み、それぞれを、漆で継ぐそうです。鋳物の溶接は現代でも難しい技術を要するそうです。でも日本に良質の漆と、それを使う技術があったので、成立した茶釜なのです。また、鉄である釜の錆止めとして、漆の焼き付け塗装もしていますね。
ちなみの、松風という湯がたぎる時になる音は、釜のそこに鉄片を漆でつけた物が、振動してだすと聞いています。湯がたぎっても剥げないのは漆だからだそうです。

【漆の臭いがとれなくて】
 ●漆は匂いますが、漆器は匂いません
 生の漆は匂うし、かぶれますが、漆器は木地に漆を塗って乾いたものが店頭に並びます。
当然のこと臭っても、かぶれてもいけません。それに、良質の漆器は使うほどに色艶を増して行き、手に馴染む美しさを見せてくれるでしょう。

【JAPANの誤解がとけると良いな】
 ●誤解が解ければJAPANが使いたくなるはず
 現代の漆器には、解決しなければならない問題が山積み状態です。いつの間にか、沢山の誤解を背負い込んでいること。年々高くなる人件費と、手間を惜しんでしまう気持ちが、雪だるま式に膨らんでいること。乾燥を早める物、ちじみを防止する物、艶を出す物などが混入されたために、臭ってしまったり、不自然な照りの肌合の漆器が多いことは、とても残念なことです。

【JAPANを辞書でひくと】
 ●はじめに出てくるのが、なんと!!
ja・pan
━《名》[U]
1 漆.
2 漆器.━《形》漆(塗り)の, 漆器の.━《動》(他)
(ja・panned; ja・pan・ning)〈…に〉漆を塗る, 漆でつやをつける.


とあります。
知っていましたか?
 チャイナ(China)は磁器のことを、ジャパン(japan)は漆器を意味するのは、それぞれの品質の高さからです。本物の漆器であれば丈夫で使いやすい日常茶飯器です。

                 閑庵

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テーマ:工芸 - ジャンル:学問・文化・芸術

画像いっぱいの大サービス!!

月が変わり、そうれはもう、
久々に、良い天気の荻窪です。
空が高くて、気持ちがよいですね。

わかりやすいお天気屋のぼくとしては、
今日のブログは画像の大サービスです。
ところが、あまりにサービス過剰で、
カット数が多すぎました。
さてどぷしよう、全部見せたいし・・・・、そうだ。

昔のカメラにハーフサイズなる物がありました。
35mm一枚分を半分で撮って、
24枚撮りのフィルムなら48枚撮れるという、
オリンパスペンというシリーズで、
一眼レフまであったなー。
で、その方式で、
一つの画像に2カットをいれこみました。

さてご覧じろ!!
ぐっぐっとモニター、インジケーターに寄ってご覧じろ。

fjit.p02.jpg


藤田さんは絵が達者というお話しは少ししましたが、
ある意味上手にこなせるが故に、
時として、描き過ぎて・・・いえ、
慣れすぎてつまらない絵になりかねない難しさがあります。
藤田語録ですが、
「どれだけ省くかorどこまで書き込めるか」って、
言うようなことをいっていました。
っていうと、ぼくの演出のようですが、
要するにそういう境地に入ってから、
明らかに藤田さんの絵付けになり、
藤田さんらしさが確立してきました。

fjt.p01.jpg


それは、ここに並べる、
赤絵でも、安南絞り手でも、絵粉引きでも、
共通して言えることです。

fjt.p03.jpg


滲ませたり、走らせたり、釉や素地と反応させたり、
下絵だったり、上絵だったりと、手法が違っても、
積み上げてきた仕事の粉引きの素地と釉を見せる、
空間を構成する構図。
びっちりと埋め尽くすように、
これでもかと書き込み、素地と一体化する肌とつくる。

fjt.p04.jpg


どちらも、藤田さんの絵付けです。
藤田ワールドだと思います。

fjt.p05.jpg


それでも、銀花に来ている時に、
ぼくが、地方のお客さまからのご注文へのレスに、
確認のために載せる藤田さんの作品の画像や、
ブログのための画像を撮っていたら、
藤田さんが、何気なくPCを横から覗き混んでは、
「うーん、こうして画像になると、まだ堅いなー、きついなー・・・・」
などと、作品を恥ずかしそうに見ながらつぶやいていました。
このナルシストになりきれないところが、
藤田さんの絵筆に、常に勢いをもたせていると、
ぼくは思っています。
ますます、加速する藤田さんの走る筆が楽しみです。

             閑庵

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