自動車や家電製品はともかくとして、豆腐や饅頭ややきものなどの、
およそ手で作られるものに関しては、受け手への過剰な甘やかしが、
かえって作り手と受け手の会話を断ち切ってしまうと、
ぼくは感じています。
ふりまわすようにして持ち帰った豆腐が壊れたという人も、
一週間もまえの饅頭が堅いと文句をいう人も、
飯椀が落としたら割れたから弱いのではという人も、
みな作り手に失礼な人たちだとおもいます。
豆腐は買物篭の上の方にいれて持ち帰るべきですし、
饅頭は美味しいうちに食べるのものだし、
飯椀は、落とせば割れるけれども、
ステンレスのボールで食べるより、ご飯が美味しいのだから、
PL法の注意書きより、
受け手としてのマナーや知恵も必要なのではないしょうか。
ごくごく基本的なことの復習になりますが、
ぼくなりに感じている、工芸品を使うときの注意点を、
並べてみましょう。
やきものは、買ってきて、おろしたては特にそうですが、
使うまえに湯や水にくぐらせててから使うと、
急には汚れずに、ゆっくりと侘びた表情にかわるのを楽しめます。
洗うときはスポンジやたわしで、洗剤つけてかまいません。
汚れを残すより、ずっといいです。
でも、身体のためにも良く濯ぎましょう。
ステンレスの水きりカゴなどはおくときにゆっくりと、
大切なものを洗うときは、カゴにタオル等を敷くのも手ですよ。
陶器、せっ器、磁器の区別ができ、特性を理解しておきましょう。
ガラスをいつまでもきれいに使うには、
湿度のこもる場所に長くしまっておくのはさけましょう。
表面がにごってしまうことがあります。
水道水を長く入れたままにしておいて、
水が蒸発すると塩素が付いてとれなくなったりします。
特に鉢などは、蒸発しやすいの、注意してくださいね。
(クエン酸に漬けておくと、取りやすくなりますが・・・)
漆器はプラスチックや合成塗料と違い、
呼吸をするので、水につけたままにすると、
中の木地が水分を吸収して膨らみ、
漆の層とズレが出来て、故障の原因になります。
洗い方は水でもお湯でも、でもお湯の方が汚れが取れやすいですよね。
油や汚れはやわらかなスポンジなどで、
中性洗剤で洗い、良く濯いで下さい。
陶磁器や漆器やガラスには、それぞれの弱さやもろさがありますが、
それ以上の魅力をもっています。
それは温かさや潤いや輝きという表情であり、
使う程に色艶を増していく楽しみです。
お気に入りの器を身の回りで使うことで、心豊かに生活できると思いますよ。
器の素材で違う、それぞれの特徴を理解して使うことや、
受け手としてのマナーや知恵を忘れてしまうと、
物や器選びの判断がにぶったり、
自分の好きなものを大切にする喜びも遠退いていってしまいます。
あらためて、受け手のマナーと知恵を見直して見て下さい。
閑庵






