うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

うつわ屋で目にする名称のお話し

うつわ塾 料理が映える器 展の最終日です。
料理が映えるをテーマにして、
器のお話しや疑問にお答えして、
手仕事の器の楽しさをお伝えしています。

今日は少し復習で、やきものの名前や名称を、
解説してみたいと思います。

たとえば、粉引き、灰釉、染め付け、上絵などの言葉を、
工芸屋やうつわ屋さんを覗くとよく目にすると思います。
それらの器をみて、何となく理解は出来るけど。
本当はどうなのかな?って、思ってらっしゃる方いませんか?
大まかながら特徴や作り方を含めて、お話しましょう。


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光藤佐 粉引汲出 2,700円
径8.5cmH5cm 陶器


【粉引き=こひき・こびき】
白いやきものです。素地に白い化粧土を掛けた陶器です。
桃山時代に朝鮮半島から日本に伝わって、各地に定着しました。
白い化粧土が粉を引いたよう見えるところからそう呼ばれたそうです。

形を作った生乾きの素地や素焼きした素地に、
泥土状の水に溶いた白化粧土を溶いたかけてその上に釉薬がかかります。
素地と釉薬の間にある白い化粧土に、使うことで湯水がしみ込み、
使い込むほどに変化する表情に侘び寂びという、
和の感性で美しさを見い出した、
人気のあるやきもののひとつです。

*白化粧土:カオリンなどの材料をあわせたものを、水に溶いて、
      浸けたり、掛けたりして、素地に施します。

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久保田信一
灰釉二彩(白土)蕎麦猪口 2,000円
径8cmH6cm 陶器


【灰釉=はいゆう・かいゆう】
灰を基本にして調合した釉薬のことです。
土灰釉(どばい)、藁灰釉(わらばい)、もみ灰釉(もみばい)、
柞灰釉(いすばい)など、それぞれの灰のもつ特性をいかした釉薬が
あります。
同じ透明釉でも石灰釉(せっかい)に比べてくすみはあるものの、
柔らかくて深みもあり、土物との相性が良く、
窯の様子でいろいろな表情を見せてくれます。
土灰は鉄などの灰に含まれた金属で発色が楽しめ、
含有される鉄が少ないと、青磁や黄瀬戸、伊羅保、
少しふえて、飴釉、柿釉。
もう少し増やし他の金属なども入れて、黒釉、天目釉などになります。
藁灰やもみ灰は含まれる珪酸で禾目(のぎめ)という、
白濁した釉薬が溶けてうっすら縦縞を作りだす模様が楽しめたりします。
柞の木の灰で作る、柞灰釉は癖の無い透明感が特徴で、
磁器の釉薬の材料として、珍重されたそうです。

⇒「かいゆう」が正しい呼称ですが、「はいゆう」と言われることの方が、
  多いですね。


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葛西義信 かご目 飯碗 3,240円
径11.5cmH6.5cm 磁器


【染め付け=そめつけ】
青い下絵が描かれている、磁器が主流のやきものです。
もとは、中国の青華が伝わり、日本で染め付けとよばれて、
日本の器としてなじんでいきました。

四百年が過ぎた今は、もともと日本的なものとさえ思う人が多いほど、
親しまれ、色合いと素材感からの清涼感のある器です。
古くは古伊万里に、近世では瀬戸物に代表される染付は、
一番身近かな磁器です。
青色の絵柄は、素地に呉須(ごす)という、
コバルトにマンガンや鉄などの混ざった酸化金属を絵の具にして、
素地に図柄を描き、その上に釉薬をかけて焼きます。
釉薬の下に描かれるので、下絵といいます。

同じ手法が不純物を含まない真っ白な磁器から、
ざっくりした陶器まで使うことが出来ます。
御深井(おふけ)、絞り手(しぼりで)などもそれで、
見どころや趣は、それぞれに楽しめます。


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中條正康 絵替小皿 2,160円
径9.5cmH1.5cm 陶器


【上絵=うわえ】
本焼きという、そのままで使える状態の高い温度で焼いた器に、
さらに、釉薬の上に、単色や多色の彩画を描くことを、
上絵といいます。

絵の具として、べんがら(酸化第二鉄)、水金などや、
調整した低い温度で溶ける釉薬を絵の具として、
画を描き、800度以下の上絵窯とよばれる窯で焼かれます。
焼成温度の高い順に描いては、次の絵を描いてまた焼くという、
手間のかかるしごとです。
色によって焼成温度の異なる場合は、色の数だけ何度も焼くことになります。
柿右衛門、色鍋島、仁清、乾山などが、歴史的に有名で、
いまの器にも、いまだに大きく影響を与えています。

これらはごくごく一部です。
知識を得ることだけが、
器ややきものを理解したことにはなりませんが、
知っていることで楽しみや広がることがあります。
無理にではなく、使う器や好きな器の背景として、
知っていると器への愛着が深まります。

                 甘庵


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