仄かに赤い柔らかな発色が魅力の、
久保田信一さんの粉引飯碗です。

久保田信一 粉引茶碗 2,808円
径12cmH6cm
粉引は素地に白化粧土を施したうえに、
釉薬をかけて焼き上げます。
素地の釉薬の間にある化粧土が、
焼成による窯変を見せたり、
長く使うことで侘びた変化を見せたりします。
つまり化粧掛けは無地なのに、
絵柄や文様に変わる変化を呼び出す仕掛けです。

この飯碗は焼き加減で「御本(ごほん)」と呼ばれる、
酸化鉄の発色を引き出しています。
意図していますが・・・どう発色するかは、
最後は窯神様次第になります。
予期された偶然を引き出すのが腕と、
誰だったか巨匠か嘯いていてような・・・。

そこまでではなくても、
料理の焼き加減に似ていると思います。
AI制御の量産のパンやお菓子の焼き上がりは、
間違いがなく安定しています。
手作業の職人さんが焼くそれらには、
わずかに味わいや焼き加減が。
変わったりするかもしれません。
それでもその変化が季節や天気の変化のように、
心地よかったりもします。

せいぜい200度以下のパンやお菓子でさえ、
難しさがあるのに焼き物や1300度近くまで焼く窯と、
長く焼き続け1日以上焼くのも稀ではありません。
そんな中だからこそ作り手の腕前と、
不思議と人柄までが現れてくるようです。
柔らかそうでいて真までしっかり焼けているこの飯碗は、
穏やかで優しい心根ながらも頼もしい、
久保田さんらしい飯碗です。
甘庵
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