それは、高台やいとじりと言われる、
茶碗の畳付きの部分は、作り手の技量や、
彫刻的な感性がよく見えるからです。
ロクロでも、タタラ作りでも、(注1)
全体やフォルムを作り出すときは、
膨らませたり、伸ばす仕事ですが、
高台周りの仕事は、逆に削り取り仕事です。
ちょうど、木彫や石彫の仕事ににています。
もちろん、木や石とは違いますが、
柔らかい、ねばる、ざくざく、もさもさ、
削るときの土の個性はそれぞれです。

角掛さんの土への感性を見てみてください。
ほとんど釉薬で隠すもの、

土がはっきり見えているもの、

化粧土が見え隠れしているもの、

削った後があるもの、

釉薬と土が反応して金属のようにみえるもの、

糸で切ったままのもの、

窯の棚板について仕舞わないように、
貝で浮かせた貝のめあとが見えるもの、

それぞれ変化はさまざまで、楽しめますよ。
これらは本来、お嫁に行ったときの、
オーナーの役得。
そうです、だから好きな“うつわ”を洗うのは、
結構楽しいことの一つなんですよ。
閑庵
注1:タタラ作りというのは、粘土を板状にして、
型で作り出したり、組み立てたりする仕事です。裏をみせちゃいます
