轆轤を使わず手ひねりであることがまず一番なのですが、
その手法を生かすために、
伊賀の原土や常滑の土など調整して、
ざくっとして質感の素地にしています。
土の肌合いを生かすために、釉薬ではなく灰をかけて、
しかり還元炎で焼き切り、
さらに、冷却還元をしています。

さて、この「冷却還元」は、聞き慣れない方もいると思うので、
少し説明しておきますね。
今の器を作る作り手の焼成窯は、
ガス窯や灯油窯か、電気窯がほとんどです。
そして、銀花でご覧になる多くの作り手が、
還元炎もしくは中性炎で焼成してくれています。
酸化炎より、素地が締まり、
平たく言い切ってしまえば、
少しでも丈夫で使いやすくするためです。
この還元炎というのは、
焼成の後半に窯の中が、燃料過多で(どの燃料でもガス化した状態)、
酸素不足の状態です。
薪で焚いたときに、攻めるように薪をがんがん入れるので、
「攻め焚き」などともいわれます。
こうしてきっちり焼いて、
通常はガスや灯油のバーナーのコックをひねり、
火を止めます。

それで冷めるまで待つのですが・・・。
冷却還元は、ここからもうひと手間かけます。
火を止めても1200度以上の窯は、
夜など真っ暗にすると「ほわーん」と、
焼けて赤いような状態です。
ここに、火をつけずコックをひねって、
生ガスと入れるそうです。
ちょっと聞いただけで怖い感じですが、
酸素がないので、火がつかず・・・・。
窯の中で燃えようとしてくすぶり、
黒煙が、窯の隙間からモクモクとあがるそうですよ。
いわば、いぶし焼き。
薪で焚いていたときだと、
焚き終わって、焚き口などを粘土でふさぐと、
燃え切っていない薪が、オキ(熾き)状態になって、
いぶし焼きになります。
それをガス窯で再現する方法です。

こうしていぶして焼くことで、
酸素不足の状態で還元反応して冷めて行くために、
素地や灰が溶けたガラス質の中の鉄分などの金属が、
黒くなります。
鉄が二つの手を持つ元素で、
酸化第二鉄が赤さびで、酸化第一鉄が黒さびと考えてください。
鉄が豊富な酸素と結びつけば、赤さび状態で真っ赤。
酸素不足で酸素と結びつけば、黒さび状態で真っ黒。
この黒さび状態を意図的に作るための、
焼き方・・・いえ、さまし方が、冷却還元です。
ちなみに、次回の企画展の角掛さんも冷却還元で、
あの黒い釉肌をだしています。
甘庵
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