うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

急須ひょいオーナーの疑問 4

「本日もお疲れ様です。何だか(昔流行った)メル友みたいですが、またお邪魔致します。」
という書き出しでまだまだ疑問質問がわき出るTちゃんなので、
そう来れば、しっかり答えないと気の済まないぼくなので、
またまた長くなって恐縮ですが・・・・。答えます。

(最近この一口にまとめて言い切れない、ぼくの物言いに、
 疲れのたまっていた親しい友人の怒りを買い・・・反省大のぼくです。
 が、工芸のお話はどうしても省き切れない状況ですので、お許しを!!)

さて、はじめましょう。

Q:茶渋 ....緑茶や中国茶より、やっぱり紅茶は直ぐ濃く茶渋で残ります。普段はツルツルな磁器を使っているけど、着く!!

A:そうですね、紅茶が一番アクが付きやすいですね。
そのため、磁器を使うカフェでも湯煎をした器で提供するのですよ。
たとえ磁器で素地に、しみ込むことがなくても、
表面が綺麗なだけにアク付くのは美しくないですからね。

Q: 仕事の合間に飲むカップは、減ってく過程が分かる様に茶渋が輪になって着くけど。(一般的な)磁器だから容赦無く漂泊剤へGO。 ...ひょいは茶渋が目立たないから平気だけど。 これは、やはり磁器ならではでしょうか。

A:磁器でなくても、色が見えやすいものなら、あり得ることです。
それに、磁器だからとかではなく、決めの細かな釉薬が掛かっているものなら、
磁器でも、せっ器でも、紅茶のアクも付きにくいですよ。

Q:せっかくのせっ器や陶器は(私みたいな手作りデビュ−班は)きっと、あぁ..手作りって実感出来るのを選びます。うっかり漂泊剤...。茶渋は料理染みより絶対気にするので。漂泊剤の注意をいつか。

A:磁器には確かにアクや茶渋は美しくないので、取る方がいいでしょう。
でも、茶渋などに神経質になるなら、漂白剤の残留を身体のことを考えたら、
乱用しない方が良いのではないでしょうか。
アクや茶渋はタンニンですから、場合によっては、摂取しようとしているものですが、
漂白材は塩素などが基本ですから、
トリハロメタンなどと言われる発ガン性のある物質をつくる原因のでもあり、
また、塩素漂白剤+茶渋+酸性のもの(レモンや酢など)で、
あの毒性で強さで有名なダイオキシンが出来てしまうことがあります。

塩素などが表面に残りにくく、素地に吸水性がない磁器はよいですが、
せっ器や陶器には普通は使わないほうがよろしいのでは、
アクや茶渋が気になるなら、やはりこする!!
最近は良い洗うスポンジなどがあるのですから、
洗剤や漂白材に頼らず、こする!!
身体の溜だけでなく、お茶類に関しては、
香りの残存も大変気になると思いますよ。

陶器やせっ器を楽しむと言うことは、
茶渋などで少しずつ変わる様を「侘び寂」と喜んだ、
先人から受け継いだ「和の美意識」として、
受け入れてもらえると嬉しいのですが・・・。


Q: 釉薬着いてても...マット系は汚れやすいんですね。素人は薬を信じますので。何気に参考になりました。

A:薬>釉薬(うわぐすり=ゆうやく)や、磁器や陶器やせっ器などを信じるのではなく、
自分の目を信じるのが一番です。
では、どうやって自分の目を信じれられるいうにするか?
信頼のおける店で、信じられ留物を手に入れて、
使っていって覚えるのが一番です。


Q:焼きの甘い物 ...これは運ですね、やっぱり。しっかり焼けている →地が焼き硬くなる → カビ難い → 丈夫 。って事ですか? ..運と相性ですね。

A:運ではなく、しっかり焼けた物が器です。
そうでない物を手に入れてしまうのは、運が悪いのではなく、
そんな器を選ばなければいいだけです。
一つの手だてとして、しっかり焼く器を作る人を選ぶ、
そういう器を選んでいる店を選ぶのが、近道ですね。
ですから、運ではないと思いますよ。

                     甘庵

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急須ひょいオーナーの疑問 3

またまた、Tさんの疑問に答えてみますー。
どうしても説明が長くなってしまいます。
これが整理出来ていくきっかけになり、
読みやすい形にまとめたいと思っていますので、
必要なところだけを読んで後は飛ばして下さいね。

Q:カビは見た目ではなく、臭いとの事了解しました。
粉引の黒ずみは、貫入とは違う...焼きの甘いのは、とブログにあったけど。
甘いのに当たると、呆気なく貫入もどきのヒビとともに、薬や化粧が禿げて黒くなるの!?


A:カビがベタで生えるとしたら、釉薬のかかっていない場所。
たとえば、碗類の高台まわりの土見せのあたりや、
皿や鉢の裏側の高台周りや高台ないの素地が見えているところあたりでしょう。
感じとしては、お餅にはえるようにかな・・・・。

貫入(かんにゅう:釉薬と素地の膨張係数が違うのではいるヒビのこと)が黒ずむのは、
食べ物や特にお茶などの、タンニンがそのミクロンの単位の隙間にわずかに入り込んで、
茶黒くなるときに、線として見えて、それを数寄人は気にするのではなく、喜ぶ。
でもね、これだってそうそう簡単に入る器ばかりではありません。
種類でいうと、長石釉の陶器などは、釉と素地の膨張係数の差が大きいので、
隙間もミクロンの単位ですが、広いので、貫入を楽しみやすい。それを意図的にした、
貫入釉というのさえあります。
結論からいえば、陶器やせっ器は使うことで侘びて行くけど、
それを楽しむゆとりをもてば・・・・いえ、持たないとね。
でも、ゆとり無くても気になるような変わり方は、説明しなくてもたぶんわかります。
それは侘び寂びの変化ではなく、汚れです。

後、粉引の雨漏りでというのが、いわば染みにのおもしろさです。
これは、確かにお茶人でないと・・・あるいはお茶碗などでないと、
うっかりすると気になると思います。
でも、ぼくが器と考えている焼き切ったものは、
特に使い始めの内に水にくぐらせば、そうそうには、なりません。
そうしょっちゅうなっていたら、器好きの人がいなくなっちゃいますよ。

でもね、マグみたいな・・・・特にお茶やコーヒーみたいに、
こぼしたら衣類やテーブルに茶渋やアクで、
色染めしやすいものは、マットな釉薬や、祖面の素地に、
粒子としえ、残り定着しやすんです。
そのために、たとえ磁器でも使う前に湯煎すると、洗う手間が全く違う。
いつも綺麗でいたいなら、ごしごし洗う。
少し侘び寂びを楽しみたいなら、心豊かにのんびり対応していけばいいんです。

次回の質問は、まだまだTさんの中で解決していない、
汚れを侘び寂の違い、器選びは運ではないことを、お答えします。

                         甘庵

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急須ひょいオーナーの疑問 2

前回につづいて、Tちゃんの質問に答えていきます。

Q:フッ...と。疑問が。質問です。
乾燥に気を付けたのは、初めてお金を掛けたせいもありますが★
いわゆるツルツルした磁器とは違う質感なので、どこまでしたら乾燥なのか、
見た目では分からないから用心した、っていう感じでして。
(させませんが)カビた器ってどんな見た目?青や白カビとして見える?...
黒ずむ粉引きとは...(マグは粉引きでチャレンジしようかと思うので、参考までに)。

お忙しいでしょうから。気が向いた時に、向いた時教えて下されば幸いです。
是非見た目を...(失敗しても気付かないのが怖い)。
見た事無いので。調味料の染みをつける、のは想像付くけど。...黒ずみ..て。


A:ちょっと難しいんだけど質問に答えてみましょう。
まずは、どこまでが乾燥か?という疑問があるようなので・・・・。

磁器は素地に吸水性がないから・・・オーバーにいえば、
ビニールを乾かすみたいなもので、表面が乾けばよしでしょ。
せっ器はアクリルの・・・フリースみたいで、
脱水掛けた後でもう半分かわいているみただけど、少しは染みこんでいる感じ。
陶器は木綿みたいで、完全に乾いても、
静電気が起きないように、湿度を持っている感じかな。
変な比喩だけど、感覚的な感じとてはそんな感じです。

逆に、使うときには水にくぐらすのが約束なぐらいのせっ器や陶器ですから、
生乾きといわないまでも、からからではない内にまた使うぐらいで、ちょうど良いんですよ。

次に、かびた器の状態ですが、臭いかな。
ただ、器はそう簡単にかびません。
黴びてはいけないと思う。
それってよく本に「陶器はよく乾かさないと黴びることがある・・」って、
出てくるから心配なのでしょうけど、
それは、茶陶器や一部の抹茶碗などの話であって、
毎日使う器としては、そんな器を"うつわ屋"としてのぼくは認めていません。
そんな器は使えませんよ。
ろくに洗わず、放っておくとかでない限り、まず考えられないことですよ。

カビは「黴びる養分」がないと黴びないでしょ。
「酸素」「温度」「湿度」の条件が合えば養分が黴びるでしょう。
基本的に、やきものは無機質ですから、
そのままでは黴びる養分がないので、黴びません。
スポンジ状の素地に、美味しい物が入り込んで、
それが、湿って、風通し悪くて、そこそこ温かで・・・・黴びる。

つまり、それがスポンジ状の素地のやきもので、
そこに何かが残っていて、黴びるとういうことは、理論的に考えられますが、
実際には・・・たとえば常に湿っているような台所のスポンジを、
Tちゃん黴びさせたことってある?まず普通の条件ではないでしょー。
それと同じでそう簡単に黴びる方がおかしいですよ。

こういうのもPL法などが、供給する側の逃げの取説となって、
結果的には、かえって使い手を過保護にしすぎてしまい、
心配ごとばかり増やして、本質を自分で考える力を奪ってしまっていると思います。
というわけで、ぼくは半世紀以上生きていても、
ごくごく普通の使い方をしていて、器が黴びるのは見たことないです。
器に残った何かが黴びているのは見たことあってもね。
たとえば、冷蔵庫の奥でプラスティック保存容器にいれておいて忘れられてて・・・・とか。
だから、しょっちゅう使っているものなら、あんまり心配しなくて良いと思いますよ。
また粉引に貫入がはいって黒いヒビになるのは、カビではないので・・・・。

Q:カビは見た目ではなく、臭いとの事了解しました。
粉引の黒ずみは、貫入とは違う...焼きの甘いのは、とブログにあったけど。
甘いのに当たると、呆気なく貫入もどきのヒビとともに、薬や化粧が禿げて黒くなるの!?


この質問の回答はは次回に続きます。
**みなさんも、どんなことでも質問してください。
  ぼくに答えられることは、なるべくわかりやすく、
  一生懸命答えさせていただきます。

                  甘庵

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