うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

クルミとウォールナット

武井順一さんが、よく彫り出す文様に、
薊文(あざみ・もん)があります。
生まれ育った軽井沢高原できっとよく目にしていたのでしょう。
今にもちくちくしそうな元気な薊が、
生き生きと彫られています。

それなのに、器として使うときに、
決して邪魔にはなりません。
器に四季や自然を写し取り、
暮らしに広がりを持たせるのは、
心豊かな生き方があってこそ生まれ、
様式や文様となります。

身近で使う器にこそ、
手間を加えて刻み込み彫りあげた文様が、
食べるという毎日の行動を、
単なるエネルギー補給ではない、
和み、心にも糧となる時空を与えてくれます。

takei940.jpg
薊紋六角皿  クルミ 拭き漆  12,600円
径16.8cmH1.8cm


菓子皿や取り皿に程よい大きさの、
クルミ材の六角皿には、
一葉一輪の薊が高原の小径からトリミングされ、
今にもそよぐ風に揺れそうです。

takei941.jpg
薊紋皿 ウォールナット 拭き漆   14,700円
W27.3cmD18cmH2cm


楕円に木取られたウォールナット材の皿には、
デフォルメされた薊が、縁に動きのある文様に仕上がっています。
盛りつけられたときに、料理が映えて、
広がりを生みだす、デザインです。

和のクルミと洋のウォールナットは、
同じといっても良い材種でありながらも、
育つ環境で木肌も、質感も異なります。
武井さんが、それぞれの木と会話して、
特徴や気配を上手く活かして、
それぞれの皿が生まれて来たと、
ぼくは、感じとれました。

           甘庵

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無駄が省かれたフォルム

昨日ご紹介した武井順一さんの、
木の葉の姿を写しとった皿とは対称的な仕事の、
機能美といって良いような、
無駄が省かれた美しいフォルムの片口をご紹介します。

takei974.jpg
片口(大)山桜 拭き漆  63,000円
W37cmD17cmH13cm

今回の片口の中では一番大きなもので、
実際に手に取ると、ずしりとしたボリューム感で、
注ぐときには、両手でもゆっくりと注ぐ重量です。

takei976.jpg
片口 山桜 拭き漆 15,750円
W14.5cmD12.5cmH6.2cm

こちらが一番小さな片口で、
ころんとして丸みは、心地良い掌で、
一人ゆっくり酒を楽しむ時に、
この片口そのものが肴になるでしょう。

takei975.jpg
片口 山桜 拭き漆  29,400
W26.5cmD133cmH7.3cm

一番目の大きな片口の相似形です。
一合五勺ほど入る大きさも程よく、
使い頃の片口かと思います。
器として盛りつけても、
花器やしつらえの器にも、
口の長い美しい形フォルムは、
楽しい演出になることでしょう。

ご紹介するいずれの片口も、
塊の木から削りだされた、
力強い、無駄のない流れるようなフォルムが、
気持ちの良い見事な仕事です。

           甘庵


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吹き寄せ

武井さんの仕事の中で、
ご自身が彫る楽しさを一番味わったように見えるのは、
葉そのものの、葉皿です。

takei966.jpg
楓葉皿 欅 拭き漆 5,250円
W15cmD14cmH1.7cm


北の方から早めの紅葉のたよりが聞こえて来る季節になりました。
これは、大きいから紅葉ではなく楓ですね。
お菓子も似合いますが、お料理にも楽しく使えます。

takei967.jpg
楢葉皿 欅 拭き漆 6,300円
W25cmD13cmH2cm


材はどの葉皿も欅なのですが、
それぞれの葉の特徴を、そのまんま生き写し・・・。
いや、きちんと描写されていて、
風に吹かれて舞い落ちて来たばかりようです。

takei965.jpg
栗葉皿 欅 拭き漆 7,350円
W24.5cmD7.2cmH2cm


栗の葉は落ちると、乾燥で葉の先や脇が、
縮まって、くるくるっと巻いてきます。
この皿も巻きはじめの様子が見えてきています。

takei963.jpg
楢葉皿 大 欅 拭き漆 12,600円
W28cmD13.5cmH2.1cm


これは実物よりは大きくつくられていますが、
生き生きした表現はそのままで、
干菓子など盛って使いたい、楽しい器です。

それぞれの葉を一葉ずつ揃えてみれば、
まさに秋たけなわ、「吹き寄せ」の様です。
 
               甘庵


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