漆器の多くが木胎といわれる、
木の素地に漆を塗り重ねたものです。
木の素地作りはロクロで挽かれたものが中心です。
ロクロは手早く能率的で、普段使いには勝手の良い、
丸い平面を作り出せるからです。
椀や鉢や盆の多くがこの方法で生み出せれています。
用途が少し特別な形や、
他の手作業を加えたものは、
日常の食器より少し華やかなもの、
晴れの器に多く見られます。
また、手を加えることで、
「ひとつだけ」というの個性を引き立てることにもなります。
面取鉢 ケヤキ 25200円
径31cm 高さ8cm 松室裕重さんの鉢は、
ロクロで挽かれたケヤキの鉢の側面を、
大胆に面をとることで、ロクロで挽かれた質感とはまた違った、
力強いケヤキの素材感を引き出しています。
隅切り鉢 楓 40000円
□24cm 高さ4cm太田修嗣さんの角平鉢は、
ノミで繰り出された、シャープで彫刻的な表情を持ちながら、
凛とした気品を兼ね備えた上質感を漂わせています。
刃物で削ることが出来る、木という素材の、
削られたまま肌を活かすには、
品を失わない感性が必要です。
それには、作り手の力量である、
木との会話をぼくらにわかりやすく聞かせてくれる、
巧みな技の裏付けと、作り手自身が品性と感性を、
兼ね備えていてこそだと思います。
甘庵
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漆器への誤解に剥げやすいものと、
誤解している方が多いのは、
悲しいことにそういった漆器があって、
その経験からかと思います。
身の回りの塗装されたもの、
たとえば自動車や、自転車のボディの塗装が、
ぶつけたりというアクシデントで、
外圧や衝撃を受けてでないかぎり、
塗装が剥げるということを経験することは、
まず滅多なことではないとおもいます。
同じように塗装である漆器も、
早々簡単なことで、剥げてはいけません。
というより、繰り返しですが、
「木の器を汚れず、扱いやすく、丈夫に使いやすくするために」
漆を塗ったものが漆器です。
減るほど使えるようにと 縁・見込み・高台は麻布の下地です確かに中身が木という、金属などより、
不確定要素があったり、四季の温湿度で変形する素材です。
その木の呼吸を止めない漆は、
乾いた皮膜面が、木の四季変化について行く、
他の塗料以上に柔らかさがあるからこそ、
丈夫な漆器が成り立ってします。
木目を活かして椀ですが 摩耗しやすい縁や高台は塗り重ねしてあります長い時間で生み出された漆器の技術が信頼されて、
日常の器に、幅広く漆器が使われていました。
使う側の優しさや、基本の知識は必要ですが、
それも、身の回りから漆器が減るとともに、
失われつつあるのは残念でしかたありません。
「根来塗り」と表現される漆器があります。
下地から塗り重ね、黒漆の上に最後の朱漆をぬり、
長く使うことで、朱漆が摩滅して、
下地の黒漆が見え隠れする様に、
侘び寂を見いだして数寄人たちに好まれ、
塗り上がったものを、初めからすり減らして、
「根来塗り」して制作され、可愛がられて伝統的に残っています。
この根来の基本は、減るほど使えることから生まれる、
伝統的な技術の裏付けであることと同時に、
そこまで可愛がる使い手の意気込みを、
ぼくらは忘れてはいけないと思います。
甘庵
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